走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

Small great thing #2

2021年07月07日 | 仕事
本の感想 その2

医療過誤について考えさせられた。以前にも書いたが医療施設での医療ミスで死亡か重度の障害に繋がる医療ミスの発生率は各国軒並み14人中1人と言われている。その為の安全委員会であり、インシデントリポートシステムである。急性期の病院で働いていた時はいつも頭にあった。仲間のミスを見つけることもあれば、仲間に助けられる時だって。

今ナースプラクティショナー(NP)となり、医師の指示を実行するのではなく、自分が診断と治療をする立場になり、その責任の重さに押しつぶされそうになる事もある。予想外に患者が急死する時、解剖医から電話をもらうと、真っ先に落ち度がなかったか振り返ってしまう。病院で働いている時はチームと言う感覚があるが、プライマリーケアはそうもいかない。Team of One!You are it!

実習に来るNP学生にも口を酸っぱくして話す。「診断や治療で間違えている」これがベースラインだと忘れてはならない。間違えていても患者の健康へ影響を与えないための策を二重三重に引いておくことで誤診を防げる(OO日経っても症状が改善しなければ再診してください。△△が起こった場合は救急室へ行ってください、と明確に告げること)、と。

自分のやっている事を肩越しに確認してくれる人は誰もいない。

そんなせいか、キャンプ中に見た夢はどれも診察中に大事な問診を聞き逃したり、身体所見をとり忘れたり、これじゃあ診断までに行きつかないー!ってな夢ばかりみた。

主人公はエキスパートで、何も誤ったことはしていないのに殺人罪で起訴される。職場でバックアップをしてくれる同僚もなく(職場でも差別的待遇)、、、と。私は日本人でありカナダではマイノリティーとなる。人種で差別された経験だって両手で数えても足りないほどある。

それでも今まで良い同僚に恵まれてきたと思う。ラッキーだけだったのかもしれない、明日はわからない、とも感じた。

続く

冒頭写真:キャンプ旅行の写真を。クートニーは開拓時代に栄えた街。戦争中は日系人が強制移住させられた地。古い建物や日系人の面影が多くあります。いつも立ちよるベーカリーカフェ。

こちらは同じくグリーンウッドの街。





こちらはロスランド。






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