
専門医から電話がくる。相談があると。
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よく聞く相談。でも専門医から聞くのは初めて。驚いた。
私が新患者として受け入れるのはかかりつけ医もしくはNPがいない人だけ。かかりつけ医が気に入らない、思い通りの治療をしてくれない、は理由にならない。5〜10人に1人はかかりつけがいなくて困っているBC人がいるのに、なんとも贅沢な不満。と、言ってしまえばお終い。患者にとっては切実な問題。
そしてその原因は慢性疼痛の管理の場合が殆ど。慢性疼痛は急性疼痛と異なる。お薬あげて終わりではない。糖尿病や高血圧のように二人三脚的なアプローチ、患者教育、現実的なゴールの設定、計画などが必要。
で、トラブっている患者を受け入れるわけにはいかない。だって根本的な問題はそのトラブっている医療者のプラクティス(仕事のやり方)の問題の可能性が非常に高い(もちろんその逆もあり)。人間知らない事を知らない。もしかしたらその医師もそんなつもりは全くないかもしれない。慢性疼痛について学び直す必要があるかもしれない。ベッドサイドマナーを振り返る必要があるかもしれない。
だから、医療者とはオープンに話し合って、うまくいかない時には免許を管理する団体(カレッジ)に報告する事で解決できますよ、と私は話し、受け入れを断る。
しかし今回の相手は同じカレッジの専門医。そんなことは百も承知の人。その上で私に電話をかけてきた。相談と言いつつも私にその患者を受け入れて欲しい、と言う願いだった。専門医だからプライマリーのことには手を出すべきでないから、と。
丁寧に断った。理由もいつもの解決方法も伝えた。
そうよね正直に答えてくれてありがとう、と彼女は言った。患者とかかりつけ医の間で板挟みになっている彼女は救えない。でもそれも理由にはならない。ごめんなさい。
蛇足と言われるかもしれないけど、この専門医は元看護師。看護師から医師、そして専門医へ転向した方。この専門医が患者にそのように頼られる理由は、、、、書かなくてもお察しがつくと思います。痒いところに手が届くようなケアは時に医学知識より重要になる。そう思う今日この頃、、、
冒頭写真: 季節外れですが長女の家にクリスマスの朝に御呼ばれ。これ可愛いクッキー。もちろん手作り。素敵な朝でした。