人探し

売春婦。新聞などで使われる英語はsexual trade worker.

1983ー2002にかけて49人のSexual Trade Workerがいなくなった事件がバンクーバーのイーストサイドで起こった。家族と縁を切った人が殆どで、いなくなった人を気にかける人も少なく事件として扱われるまでに時間がかかった。家族がいた人もいたわけで、警察に何度も問い合わせた。殆どが薬物依存者、ホームレスで探すにしても難しい状況だった。

イーストサイドは他の場所で使えなくなった(はい、この表現は非常に悪い) 売春婦の密集地帯です。薬を打ちまくった跡やメンタルヘルスも最悪状態の上、依存症状が顕著で藁にすがる思いで体を売る。$5-10で仕事を承知するのだから相当病んでいます。

しかし、そんな彼女たちだって人間です。人間として扱われるべきですがこの事件の犯人はそういう女性を車に乗せ自分の畜産業を行っている広い敷地に連れて行き、都合が悪くなると殺して遺体を敷地内に埋め、次を連れてくることを繰り返した結果でした。

捜査が入り遺体と証拠が確認されたのが26遺体。確認不能の遺体部分は多数。飼育ていた豚に食べさせたとの供述も。本人は合計49人殺したと刑務所に侵入していた覆面刑事に漏らしたそうです。残酷な殺し方、ビデオや写真も残していた。カナダの歴史史上最悪の殺人事件です。

犯人の行動の次に注目を浴びたのが警察の対応です。売春婦、ホームレスだからと、真剣に取り上げなかったこと、２つの警察にまたがる犯罪で、情報が交わされていなかったため捜査が遅れたことなども問題視されました。

前置きが長くなりましたが、今日のアウトリーチで探していたのは30代前半の売春婦。メンタルヘルスもあり、判断力が乏しい彼女は悪用されやすい。彼女は先週私に電話を入れている。バスもないところに来てるから、受診に来れないと。火曜日にその新しい住所近くのアウトリーチクリニックがある事を知り、それに来ると言っていたのに、来なかった。約束破りはいつもの事なのであまり気にしなかったが警察が電話をかけ来て、不審な車に乗り込むところを目撃して心配していると。

と、言うことで午後からアウトリーチ ワーカーのデニーとそっち方面に出かけた。放棄された家を見つけ、そこにも行ってみた。誰もいなかったが、壁と言う壁に男性性器や女性像がスプレー缶で描かれていた。彼女を連れ込んだ輩の仕業か？さすがにその写真は撮る気になれなかったけど、こちらはメチャクチャにされた家の中。いつも思うのよ、一度は誰かのドリームハウスだったのに無残な姿だな、って。



空き家に入れないように板を打ち付けたって、それを剥がして入り込む。銅のワイヤーや鉄は売ることができるから、壁を剥がして取り出す。後は飽きるまで寝ぐらとして利用と言うところでしょうか。もちろん空き家だろうと放棄された家だろうと、勝手に入り込むことは違法ですよ。