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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

性的暴力を受けた被害者の気持ち

2016年08月31日 | 仕事
先週会議が立て続けに3つあって、どれもストレス度が高くそれ以来どうも胃の調子が悪い。キリキリと痛み辛くて昨日は休みまでとった。胃酸を抑える薬を飲みだした(症状が良かったので休薬していた)。早く治ってくれるといいけど、秋に向かい仕事は忙しくなるばかりなのでストレスは減らない。ヨガや運動を適度にして仕事場以外でリラックスする事に集中しよう。

昨日の続きで性的暴力について。

アメリカでこう言う事件が起きた。スタンフォード大学で起こったレイプ事件。加害者は将来を約束されたオリンピッククラスの水泳選手20歳。泥酔した23歳女性をキャンパスのパブの裏で襲った。

何故それほどに注目を浴びたかというと、両親が裁判中に減刑を願った手紙を出したからだ。理由はオリンピック選手になる夢をなくした加害者はそれだけで十分な仕打ちを受けたからだと。アメリカを背負うはずだったスタープレイヤーならではの理由だった。
取り調べや、法廷での態度から彼自身も根本的にレイプそのものに対する反省が見られず、将来を失ったことばかり、すなわち自分が起こした事で自分も被害者の1人のように言うからだ。

これを受けて被害者が被害者の気持ちを手紙に綴りSNSで公開した。それがとてもパワフルだったことで多くの人の共感を生んだ。その手紙の全貌は英語ですがこちら

レイプはレイプ。大人同士の場合、互いの承諾なしに性行為を行えばレイプになる。スターだろうが政治家だろうが教授だろうが関係ない。加害者の社会的地位で罪名や刑が変わるものではない。

もちろん加害者の弁護側は被害者の泥酔やフシダラさなどを論点として攻めてくる。レイプ事件で良く出るのが、誘惑するような目つきだったとか、服装だったとか、態度だったとか、まるで被害者が加害者のような論点になる。この事件の被害者はこの点も鋭く抉り取って書いたのだ。

人間は平等である。それが基本的人権と認められる現代社会において力で本人の意思に反して行為を強制することは絶対許されないのだ。

システムが整っている北米でさえ被害者のうちたった18〜35%が被害届を出すと言われている。システムが整っていない日本の被害者のうちどれだけの人たちは泣き寝入りをしているのだろう。そしてそういうシステム不足が通報されなければ犯罪にならないと言う心理を生んでいるのかもしれない。

司法と医療の共同作業で日本全国でのSANEの成立を強く願いたい。

先週行った牡蠣のレストラン。美味しかった!




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