
実習について過去に書いたはず、と検索して見つけたのが2017年に書いたもの。
昨日のブログで勘違いをしてほしくないから。追加を。
カナダの学士課程の教員はどっぷり研究と論文書きに浸かりながら学士、修士、博士の授業を受け持ちます。受け持つと言ってもそこここで、みたいな感じで全部の責任もなければ毎回受け持つわけでもありません。よって同じ単位でも受ける年度とタームで講師は変わります。講師が変われば推薦図書も変わるし、授業内容も変わります。
で、このような教授クラスの授業は総論、理論的科目に限られます。
実践系のものは外部から講師が来ることが多い。もちろん看護師の実践家たちです。職場にはクリニカルエディケーターという職業があり、実践の教育者です。実践の看護師がアップデートできるように、EBPでプロトコルやポリシーを変更して看護師たちを指導、教育していく職業。そのような人が大学のゲストとして授業をします。
実習現場に付き添う人は、大学と契約のある看護師たち。実習場所で生徒の指導に努めます(現場の看護師の負担減)。実習場所での大学側の指導は高学年になると減る傾向にあり(学生の時点ですでに自律できる)、最終年はスタッフの一員のようなレベルまで完成されてきます。
このようなやり方で、思考能力を伸ばし、修士や博士に行く基礎を固め、且つ実践家として現場で即戦力のある看護師を育てます。
昨日、臨床で働くことが許されない日本の看護系大学教員と書きましたが、研究にどっぷり浸かって、論文をガンガン出しているような教授クラスの人たちは、研究に勤しんで欲しいと思います(ぜひ現場の看護師とタッグを組んで)。
しかし、北米のようにEBPの実践家の授業や実習指導を受けれない日本は医療の進歩についていける教育をするのが難しい状況。上記に書いたような人を雇う経費もないのなら、教育現場に籠るのではなく、実践を並列でしている教員の方が、医療の進歩からおいてけぼりにならないだろう、と思ったから。
さあ、ここまでは学士教育の話で明日はNP教育について書きますね。
冒頭写真: このリゾートはオリンピックで3回金メダルを受賞したナンシーグリーンが育った山です。この山がその頃の面影を語っています。超古いリフト。そして超急斜面なコースです。