走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

怒りの矛先

2021年09月07日 | 仕事
ワクチンパスポートの使用施行が近づき先週、あちこちでデモが起こりました。バンクーバーを存知の方はイメージができると思いますが、市庁のあるキャンビーSTからVGHまで12thAve が人で埋まるほどの数です。交通を妨害し、それは起こりました。ケローナでもビクトリアでも同じ事が起こりました。ググればその写真を見る事ができます。

こちらはケローナ病院のICUで働く看護師が書いたものです

私の職場ではCEOがすぐさま長いメッセージを職員全員に送りました。何故だと思いますか?私たち医療者は州民のために働いているのです。コロナが何であるかわからない時も、命を救い病気にならないように全力を尽くすのが医療者の使命です。その対象者が犯罪者でも、差別的な発言をする人でも、ワクチンを信じない人でも、私たちは医療を提供する義務があるのです。

ワクチンパスポートに対する怒りの矛先を医療者に向けるのはどうしてなのでしょうか?そしてこれだけの人が集まり怒りを声にして暴力的な態度を見せて、デモンストレーションと言うぐらいですから、あなたの考えはよーく世に伝わりましたよ。そしてこれだけ人が密集して、感染が広がり瀕死になった時あなたは病院へ来ますよね。怒りをぶつけた相手に助けてもらいに、、、。

先程、どんな人間であっても医療を受ける権利がある限り私たち医療者は医療を提供する義務があると書きました。しかし私たちもあなたと同じ人間です。感情もあります。人手不足の上に感染者増加で更に過酷な状況で仕事をしているのに、それを悪化させる行動へ出る人たちへ医療提供しなければならない、歯痒さ、苛立ち、そんな感情が出てくるのです。それはストレスとなり医療者を消耗していきます。今以上のストレスは必要無いのです。

州政府も各保健機構のリーダーシップチームも医療者を守るのに精一杯だから職員にメッセージを送ったのです。 Heartbroken とはこの事です。


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