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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

裏の裏をくみ取る

2020年08月22日 | 仕事
昨日書いた診断書話の続き。気に入らない!書き直してくれ!と2度目の受診です。母親はただサインをしてくれば良いように文章まで書いてきてくれます。しかしその内容に私はサインできません。内容が雇い主への労働環境変更の命令事項だからです。

だから、、、私はその雇い主や労働組合に雇われている産業医でもないし労働省から派遣された人ではないんだってば、、、、いくら説明しても同じ事の繰り返し。これは方向を少し変えなければ、とモチベーションインタビュー的なやり方で望む。

で、その中で分かったことは、解雇を避けたい、と言う強い希望。これは最初から分かっていた。しかしそれは解雇を恐れるのではなく、収入がなくなる恐怖からだった。

んんんんんん?収入さえ確保できれば職にこだわっているわけではない????

私の患者は働きたい気持ちは強くある。しかし病気のためにパフォーマンスが落ちて以前のようなペースで働けず、ほかに配置できるようなポジションもない。職替えをしても結果は変わらないぐらいの病状。

病気で働けない人には疾病手当が出るのをご存知ですか?

何と!娘と母親はこれを知りませんでした。説明を始めトントン拍子で話が進んだ。そして大感謝の嵐、、、、。

診察中にギャンギャンと怒鳴られたあれば何だったんだ???社会の仕組みを知っていると知らないでは大きな違い。彼女達は知らなかったために不可能な事に3日(診察と診察の間にメディカル オフィス アシスタントにも食らいついていた)も時間を費やした。こういう事って起こるんだ、、、と。お門違いと言うか違う畑で叫んでいるというか、、、

表面的な言葉に踊らされず、言っていることの裏の裏ぐらいまで探求しないといけない時もあるんだな、と医療者になって三十年ですが新鮮な経験でした。


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