走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

どこから始める?

2017年08月13日 | 仕事
アメリカやカナダでナースプラクティショナー(NP)が始まったのは過疎医療から。リモートと呼ばれる地域は小さな街や村が国中に点在し、隣の街まで何百キロなんてザラだ。そんなところで必要される医療者として発展していった。

医師がいれば一番。しかしいない現状。必要に迫られて始まった職業と言っても良いだろう。いわゆる決められた枠の中で解決策を求めるのではなく枠を飛び出て見つけた解決策だ。そして必要としていたのは国民。国民のニーズ(必要性)から始まったのだ。それを見極めた行政が医師と看護師と言う違う2つの職業からNPと言う2つの職業にまたがる新しい職を認めるようになった。

BC州でNPが始まった頃、州民の10人に1人は家庭医がいないと言う調査結果が追い風になった(家庭医制度なので家庭医がいないと不都合な事が次々と起こる)。医師不足を訴えても医師の数は増えない現状を前にして行政としてどうするのか?と。

もちろん医師不足の穴埋めにNPを使うのか?と反感もかった。誤解も生まれた。私たちNPの道は簡単ではない。しかし始まってみればNPの力量、医師とは違うアプローチなど、州民の受け入れかたも徐々に変わってきた。過疎だけではなく、都市部でのNPの活かし方も変わっていった。

日本はどうなんでしょう?高齢化の波。過疎化。医療アクセスの格差。GDPの低迷。そこからどうするのか?そこが聞こえてこない。

北米では看護師たちが医療のランドスケープ(景観)を作って来たと言われるほど、看護師がリードして患者の立場に立った研究をし、ポリシーを変革してきた。そう言う声を日本からも聞いてみたいと思います。

山火事のおかげで赤い月。




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