走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

コロナが残したもの

2022年05月18日 | 仕事
末娘のコンペシーズンが終了。スタジオのファイナルショーを6月に終了すると今シーズンを終える。コンペもファイナルショーもコロナで2年間オンライン審査のみ。今シーズンも4つあるコンペの内最初の2つはオミクロンのためオンライン。劇場の臨場感のないコンペは本人たちにとっても応援する家族にもつまらないものだった。最後の二つのコンペは劇場で行われ、まるで水を得た魚のような輝きが参加者に見られた。皆が我慢してきたコロナ。少しずつ通常に戻りつつあるのを感じた日々だった。

こんな中、患者の母親から電話をもらう。息子がICUに一ヶ月半、ようやく一般病棟へ移ったところ。手紙を書いて欲しいと母親は言う。コロナワクチンをしていない彼女は病院へ行くことができない。

病院はまだ面会の制限がある。コロナの時のように厳しいものではないが、コロナ以前に戻ったわけではない。マスクの着用も義務付けられている。何度も言うがコロナがゼロになったわけではない。

母親は訪問できないが、患者の子供たちが訪問している。しかし母親は沢山の心配事があり、孫たちの訪問の頻度では息子がかわいそうと言う。いくつになっても母は母。5歳だろうが50歳だろうが息子は息子。死と言う行先がわかっていれば面会の規制も変わるが患者はそうではない。よって特例も出せない。ここにもコロナが残したものある。


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