走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

チマチマ拾う

2019年12月16日 | 仕事

新人さんのオリエンテーションでいろいろなクリニカルパール(臨床上の先人の知恵)を伝授するのですが、面白い事が偶然起こった。

心臓内科医からの紹介状の返事を読んでいた私。新人さんにここに書かれている事が必ず起こったとは限らないから、必ず自分の目で確認する事が大切と。このケースは上手く症状コントロールできない患者を送ったのに、紹介状の返答には内服の変更はなしでコレステロールを下げる薬を開始する事が書かれていた。

で、私は患者に電話をかける。患者は今までの薬は中止されて新しい内服を始めていた。コレステロールの薬については私と話すようにと指示されていた。内服薬を全て持って来週受診してください、と伝えるて電話を切る。

ほらね、ここには書かれていない事が起こってるでしょ?

新人さんは驚いていました。こう言うことって起こるんですね、と。

はい、ケッコー起こります。専門医だって、救急医だって間違えるし、思い違いもあるし、書き間違いもあるからね。

一番怖いのはフォローアップの検査を専門医がOOヶ月後にオーダーしますから、と書いてあるのに忘れている時(「プライマリーでフォローして」を間違えて「自分でします」と書いてしまう)。何せその間に癌でも発生でもした日には、、、ってやつです。こんな事を全部拾って抜けがないようにする事もプライマリーの大切な仕事の一部です。医療の知識とは程遠い、ちまちました作業が大事な時もあるんです。

見出し写真: 走行中(私は助手席)だったので全景が撮れなかったけど、二重虹のうえに全部のアーチが見えたんです。珍しい〜


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