走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

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2021年12月14日 | 仕事
高校のクリニックへ行くとき、必ず生徒に聞くことは家庭医かNPがいるかどうか。一校に行けるのは月一回程度(ローテーションしているので)。必要が有れば家庭医に継続ケアを委ねるから。

で、最近頻回に聞くのが

いるけど家族全員が嫌ってるから新しいのを探している。

んんんんんんーまるで品物。家庭医/NPが見つからなくて困っている人が多い中、なんと贅沢な悩み。医療システムでプライマリーと呼ばれる家庭医/NPが門番となっているので、ないと非常に不都合なことが多いカナダ。

何故こんな傾向があるのだろう。人間好き嫌いがあるわけだからある程度仕方のないことだけれど、それだけではないと思う。私の患者層にもある現象。何故かって「自分の思い通りのことをしてもらえない」これが一番大きな要因だと思う。

大昔は医師の言うことが一番と神様のように崇めていた。しかしネットで調べてOOをしてほしい、と言う人が増えていると思う。しかし一般の人には分かりずらい必要性があるかどうか、保険の有無、コスト、ベネフィット(有益性)とハーム(害)のバランスとか医療を提供する側は複雑な判断プロセスを経て治療を決めている。説明してもそれを理解できるかどうか?それにもかかっている。納得できるかどうかも説明する側の因子と聞く側の因子の両方がある。

先日参加した勉強会で医師が言っていた言葉がこだまする。

いつから医療はレストランのメニューのようになったのか?!患者が選び注文する、と。

医療を受ける患者が中心となる医療システムを近年推進されてきた。患者が治療を決める。医療者はそれをサポートする形だ。しかし患者が選ぶのは医療者側から提供された選択肢。ネットから得たカスタマイズされていない選択肢ではない。ここを勘違いしている人が多いのではないか、、、と思う今日この頃です。

冒頭写真:水たまりに映る木々


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