走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

悲しみと愛の比例

2022年08月01日 | 仕事
被害者の方が住んでいた集合住宅に診察へ行った時、皆に事件後のストレスや気持ちの変化について聞きました。何故って殺された方は建物のすぐ外で撃たれて銃声も撃たれる前の会話も聞ける距離ですから。


銃撃事件 - 走るナースプラクティショナー   ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

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で、そのうちの1人が言いました。

皆が悲しんでいる。そりゃあ驚いたし、あんなことがあってはいけない!と思う。でも僕は他の人のように泣いていないんだ。これって僕は異常って事?

と聞いてきた。

いやいや、反応は千差万別でコーピングスキルも同じ事。必ず泣いたり悲しんだりしないといけない、と言う規則はないし、正常な行動の規定もない。感情を持たない、も確かに防御反応の一つ。

49人が住んでいる建物。全員が友達でもなんでもない。しかし亡くなられた方はどちらかと言うと穏やかで、当たり障りない方。友達は多い方になる。だからと言ってこの人がその1人とも限らないし、関係に距離が有れば感情もさほど影響は受けない。

ホスピス時代、悲しみが止まらない、、、と言う人へ、「悲しみはその人への愛と比例しますから」と話すことが多かった。それと同じだと思う。

カナダでは珍しい銃撃事件。ホームレスを狙っての犯行、と言う点で衝撃を大きく受け止めた人が多い。それだけだと思う。亡くなられた方は元ホームレスで、今はちゃんと集合住宅に住んでいた方だったんですが、、、ご冥福を。

冒頭写真: イングリッシュベイ。いろいろな思い出がある場所。領事館からの帰りに寄ってみました。


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