美咲-創世記-

宇宙が誕生したあの瞬間は私たちの中に…
シンガーソングライター美咲の日常・心に残った場面を、お伝えしていきます。

人権フェスタ2005in南信州

2005年12月12日 | 以前の日記
昨日は、長野県飯田市の飯田文化会館で開催された
「人権フェスタ2005in南信州」の一幕で歌わせていただきました。
会場のあちらこちらで、人権を身近に感じることの出来る催しが
行われていました。

みなさんには人権…と、ひとくくりに言われてもなかなかピンと来ないのが
実際だと思います。しかし、本当に身近なところだからこそ気がつけないけれど、
人権に携わる出来事はいつもいつも起きています。

実は、私もこの当日の朝、人権侵害らしき?ことをしてしまいました。
いつものようにマネージャー篠原の運転で会場へと向かいました。
リハーサルの時間が早かった為、早朝から高速に乗り、会場の飯田へと赴きます。
車の中で「朝食は食べた?」と篠原が聞いてきたので、私は「食べてきた。」と
答えました。「僕は食べてないからサービスエリアで食べていくよ。」ということになりました。
しかし、いざドライブインに着き、篠原が注文したラーメンを食べていると、
その香り・・・いかにも美味しそうだったので、たまりかねて「食べさせて!」と言うと
「チャーシューも一枚食べていいよ。」と私にドンブリを渡してくれました。
問題が起きたのはここからです。
私は、そのラーメンがとても美味しかったので、思わず"四すすり"食べました。
ありがとう、とドンブリをかえすと、篠原の顔が強張っています…。
食べ過ぎたのかな?と思い聞いてみると、
「美咲は朝食を食べて来たんだよね。僕は食べてない。現場が終わるまでの
エネルギーを今、とらないといけないんだよ。美咲が食べたいなら食べさせて
あげたい気持ちがあるから渡したけれども、四すすりは食べすぎだ!
二すすりが僕の限界で、美咲はその"微妙な間"を計らなければならなかったよ。
自分以外のお腹の事情はわからない。時間のない現場前のそれぞれのお腹は
それぞれが責任を持って相手を尊重しないとね。」
私はついつい、美味しそうなラーメンを少したべたかっただけだったのに…
実に深く鋭い指摘でした。
二すすりと、四すすりの間にそんな"微妙な間"が存在していたとは…!

考えてみると、その日はこちらでPAを用意し、セッティング、オペレーターともに
篠原がやる予定でした。車の運転でも体力が消耗しているし、しっかりとその日
出す分だけのエネルギーを取らないと仕事にならないのは当たり前でした。
相手のことを思いやり、その後起こることまで気を配り、今の行動をとる。
日本には、“わびとさび”の他にも、“汲み取る文化”があります。
人権も、そんな“汲み取る”ことが欠けた状態、自分さえ良ければ、相手の
ことなんかどうでもいいという状態から、簡単に無意識に侵害されていって
しまうのではないかと感じました。

一杯のラーメンが教えてくれたちょっとした人権問題でした…(笑)
(その後、篠原は飯田のコンビニで"かっぱえびせん"を買い、食べ始めると
人権が回復されご機嫌になりました。)

コンサートでは、多くの人権について考え始めている皆さま、
他の展示会場でお仕事をしていて時間のあいた皆さま、スタッフの皆さまが
歌を聴いてくださいました。本当にありがとうございました。
当日まで準備を重ねてきた、全会場の実行委員会の皆さま、関係者の皆さま
ステージに照明を当ててくださった飯田文化会館のスタッフの皆さま、
そしてPAを担当したマネージャー篠原、おつかれさまでした。

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