やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

【車両】RATP MF77系電車 メトロ7, 8, 13号線

2013-12-23 | Métro 車両
RATPのMF77系電車です。
1977年にRATPによって発注されて、Alsthom 社と Franco-Belge 社で製造されました。
郊外に延長され、比較的長距離を走ることになった7, 8, 13号線に投入されています。
このうち、13号線の大半の車両は内装のリニューアルを受けていて、
オリジナルで残る車両は少なくなりました。


長時間の乗車にも耐えられるよう、
広幅の車体を採用。ただし、カーブやトンネルの建築限界があるので、
車体を卵型にすることで支障しないように工夫されています。
上に向かって窄まるという、JR北海道731系のような特徴的な断面をしています。

ドアは1両あたり片側3つ。両開きのプラグドアで戸袋を省略しています。

半自動で、開ける時にはボタンを押します。勢いよく開きます。



大変幅広の両開きドア。小田急1500形や東京メトロ15000系もびっくり。
扉部分には折りたたみ補助イス strapontins が装備されています。

ドア鴨居部分に路線図。

ドア幅が巨大なので、路線の長い7,8,13号線でも路線図が十分収まります。

青を基調とした内装。
車幅が広がったため、以前の車両に比べて、
座席に掛けたときの横幅の窮屈さが解消されています。


ドア間の座席はボックスシート。以前の車両よりシートピッチが拡大されました。


車端部分は車幅が絞られているため、ボックスシートを採用せず、
ロングシートとしています。


いずれの座席もビニール張りですが、クッションが入っていて、
長時間乗車でも苦痛ではありません。


窓は、上の部分を引っ張ると内側に開きます。


冷房装置はついていませんが、ベンチレーターによる強制換気が行われています。
その手前にあるものは、吊り手でしょうか?
蛍光灯が直接見えない半間接照明になっていて、落ち着きがあります。
それでもメンテナンスや掃除が大変そうではあります。


暖房は、窓側座席下に電気ヒーターが組み込まれています。
冬、メトロで一番暖かい車両です。窓側オススメ。


車両間の通り抜けはできません。扉は非常用です。



7号線や13号線では、末端で二股に分かれるため、
行き先を示すランプが車内外にあります。


車両のメカ部分のお話を。

5両編成。Mc + T + M + T + Mc の組成になります(Mはモーター車、Tはモーターなし、cは運転台)
2,4両目に乗ると静かです。


台車は空気バネ(エアサス)を用いていて、乗り心地がよくなっています。

制御方式は、チョッパ制御 (仏:hacheur) です。
このMF77系に乗ると、加減速時に「プー」という一定の周波数のうなり音がします。
MF77系が設計、制作された1970年代後半、日本でも省エネ電車として国鉄中央線に、
チョッパ制御の201系が投入されました。

日本の国鉄(JR)201系(中央線快速 (2010年まで)や大阪環状線、大和路線)や
203系(常磐線各駅停車~東京メトロ千代田線 (2011年まで))と同じ音が、パリのメトロでも聞こえます。
同時代の電車であることがわかります。


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