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生かして生かされて生きる

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宗教問わず信仰について考える
ほとんど私用メモ帳化してます

そのさん さんぶんのに

2006年11月20日 | 宗教被害・虐待被害関連
 ●テレビの影響

(これも有田さんの話を聞いて)

私たちの日常生活では、メディアの影響がすくなからずある。
ラジオの時代から、情報による大衆のファシズム化は可能になってきたようだ。
情報が少なければ、その情報にとびついてしまうこともある。
現代は、どんどん情報にあふれ、逆にわかりにくくなっている。
単純明快なわかりやすさを求めたり、刺激的なものが印象にのこりやすかったりもするのだろう。

私たちは、テレビで放送しているものは正しいと思ってしまう心理が働く。
テレビは、情報の中でもストレートな影響を持っている。
「攻撃性が、テレビなどのメディアで養われていないだろうか。」
 どう考えても私はあると思っている。
いまや生まれて0歳から家のテレビがついている時代だ。
(0歳ではワイドショーを観ていることが多いという。一緒にいる親の影響でしょうね)
認識するとしないに関らず、言葉や映像はその頃から頭に入ってゆくだろう。

社会的なメディアの影響もそうだけど、宗教団体内でも、いまやテレビやビデオ(衛生中継?)は当然のように使用され、
信者はそれらの情報を疑うことなく「当然正しいもの」としてみているケースは多々ある。
これだけ情報化社会の中でも、限られた情報の中でしか生きていないということも起こりえるだろう。
意外と盲点なのだ。

また、どれだけ情報をいただけても、十分に伝わらないことが必ずある。
例えば、テレビの前、パソコンの前にいる状態で得ている情報は何か、ということ。
情報はあくまでも「目、耳」の情報でしかない。
その情報に対して五感をフル活用しているわけではないのだ。
しかも、距離は省かれ、時間の前後はいくらでも分断できる。
におい、痛み、肌に触れる感覚、温度や湿度、空気の流れ、味覚、人との距離感で感じるもの。
その時代、その場全体を包む雰囲気、その場にいる相手の気持ちと自分の気持ち。
それらはあくまでも現実として体感して知っているわけではなく、情報の中では頭でのみ処理され、想像しているものなのだ。
人それぞれの経験、認識のちがい、想像力の豊かさなどが大きく影響するものでもあり、個々のキャパシティによっては限界もある。

中には自分のキャパシティ以上の部分は「ないこと」にして済ます人もみかける。
そここそが大事な部分だと思うのだけど。



そのさん さんぶんのいち

2006年11月20日 | 宗教被害・虐待被害関連
 
認識への影響を考える

有田芳生さんの話題提供の中からいくつか。

●戦場における人間の変貌。
「戦争における人殺しの心理学」デーブ・グロスマン 著

 戦場における発砲率(4~5メートル目の前の人間を撃つ事が出来るか)について、
南北戦争の頃は、10%くらいであった。
これは当時の技術レベルが悪かったせいではなく、
心理的に撃てなかった、というのが実際の見方のようだ。
第二次大戦でも15~20%だという。

正直、意外に少ないと思った。
「戦場に行ったら戦士達は敵を撃つのが普通と思っている」のは、
映画などのシーンで養われた戦争のイメージでしかない(実際あそこまで撃てたら異常だそうだ)のに、
それが当たり前と思っている自分がある。
あらためて、非常に怖い事だと思う。
本の著者であり、実際に軍人であったグロスマンがいうのは、
元々人間は人を殺す事が出来ない。
同類を殺すことに強烈な抵抗感がある」ということだ。

例えば、軍隊でヘルメットではなく、ベレー帽を被っている兵士がいる。
顔の露出度が多いほど、敵は撃つのを躊躇する心理をついているそうだ。
大抵撃たれるのは背を向け、顔が見えない時であるという。
こうして考えてみると、原子爆弾なんてのはとんでもない殺傷力の兵器であることもよくわかる。
人を直視することなく、遠隔でボタンひとつである。


第二次大戦後、軍事訓練は「もっと人が撃てて、戦争の効率をあげる」ため、
・よりリアルな体験(発砲訓練)をさせるようになった。
・敵対国の人間を間化した。
・殺人を正当化させる教育をさせた。
殺人の教育と訓練によって、発砲率はぐんと上がった。
朝鮮戦争で55%、ベトナム戦争においては95%だという。
「適切な条件付けを行い、適切な環境を整えれば、ほとんど誰もが人殺しが可能になってしまう」

人が人に対する考え方と言うものも、教育や訓練でいかようにも変わってゆく、
また、「”敵”に対する考え方」ということも、たとえ殺人を抜きにしても相手を間化し倒すという考え方が教育されることが容易に想像できる。

ちなみにもう少し調べてみると、ベトナム戦争のその後、
アメリカ兵士達は、軍の中ではそれらの行為が正当化されていたものの、
アメリカに帰ってから、市民からのひどい非難を受けたり、自ら後悔の念に苛まれたという。
これらがまたアメリカ兵のPTSDを生んだ原因にもなったらしい。
 ということは、やはり例え教育、訓練されるといっても、
その行為は強烈なストレスにさらされるのではないか。
頭では納得させても、人間の心の根っこの部分がそれに抵抗するのかもしれない、と思う。


そのいち、番外編

2006年11月19日 | 宗教被害・虐待被害関連
 
「そういえば、伊東乾氏の研究って、
脳の血流量変化をモニターしてい機器開発製作が島津製作所ってことは
fNIRS(光トポグラフィー)使ってるのかな。」

理系姉さま、怠惰猫さんと雑談メールしてて先日の話題が出た。
おっしゃるとおりです。資料にきちんと書かれていました。
専門的なことはあえてほとんど省いて書いた(私が詳しくない為)のに、
「脳の血流量」というキーワードだけで中身を当てられてしまいました。
さすが。しかも晩酌しながらこの手の研究本が読める彼女である。
また彼女の理系科学クールビューティーさにホレボレしてしまった。

「酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの相対量をモニターするんだったっけ…。
fNIRSの機器開発は、日立製作所と島津製作所がしのぎを削っていますね。
私は、脳梗塞後のリハビリ効果の実証に関するfNIRS研究の本は
読んだことあります。
私の専門分野に少しだけ関連している事柄なんです。」
(怠惰猫さん談。以後「」はすべて怠惰猫さん)

  うわお!すんごい身近にブレインマッピングに詳しい人がいただよ。
シンポジウムにいたら、さらに突っ込んだ話もできたかも。
というわけで、伊東氏のマインドコントロールの研究に関するけど、
ちょっと番外編で、ブレインイメージング(ブレインマッピング)そのものの本やサイトなどを怠惰猫さんに紹介していただいた。
ちょっと専門的な内容で、主に脳リハビリの研究と成果についての内容が多いと思うが、いずれも将来的には関連性のある内容と思う。
興味のある方はぜひのぞいてほしい。

【fNIRSについて】
【研究例など】

●書籍【Mind Hacks】
~ 実験で知る脳と心のシステム~
●書籍【脳からみたリハビリ治療】
「この本の著者にはボバース記念病院の医師が含まれていますので
ボバース法(リハビリ法のひとつ)のアプローチの有効性を検証するためにも
fNIRSでの測定を行ったりしています。
fNIRSの場合、歩行訓練しながらでも測定できます。
(fMRIなどでは、デカイ装置の中で横にならなきゃ測定できない野に対して、
fNIRSは日常の動きが可能であることがメリット)」

松澤 大樹オフィシャルサイト

サイトの中から【ブレインイメージング】

●関連【日立製作所のfNIRSの製品化】
ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者さん向けのコミュニケーション支援機器

個人的にはサイトなど読んでいたら、欝や統合失調症も治療前後の脳の写真などもあって、
「欝なんてもんは気の持ちよう」「気合で治す」という問題じゃないことだってあるんだよね、とあらためて思う部分もあり(いまどきそんな人も少ないかもしれないけど)。
そして、「決して治らないものではない」という認識もあらためて持てる。
また、新皮質だけでなく私が気になる偏桃体や海馬の話も載っていた。
アルツハイマーの研究も進んでいるのですね。
「記憶」「学習」「心」「感情」「理性」「理知」そういった部分も、いろんな形で適切にケアしたり補い合ったりできる未来が感じることが出来る。

「神経ネットワークの再構成、なんて書いてありますけど、例えば、脳卒中なんかで脳の一部に損傷を受けた場合、その損傷部位自体は残念ながら再生されないわけです。
ただ、脳の神経ネットワークは直列ではなく、複雑に張りめぐらされていますから、非損傷部位へのネットワークが新たに形成されますしそれと同時に脳の神経細胞の役割自体も変化して
(例えば手の麻痺のケースでいえば、肘を動かす役割を持つ神経細胞が新たに手を動かす役割も兼ねるようになるとか)
機能が回復するとかそんなことが、ブレインイメージングによる研究から解るらしいです。」

10年くらい前のNHKスペシャル「心と脳」で、脳内出血でダメージを受けた部分の機能を、リハビリ訓練によってニューロンが伸びて別の部分が補っている、というドキュメント番組などがあった。
脳内ネットワークに関してもさらに具体的に映像化されていたのですね。

怠惰猫さんとは、先日一緒に液体窒素や発泡シリコンやルミノール反応で遊ばせていただいた。
ありがとうございます。めっちゃ楽しかったです。
彼女のすごい所は、脳に詳しいゆえにか、脳の働きのみにこだわらず「体全体で感じる事」の大切さもよくわかっているところだ。
 そして、「料理も科学反応の集大成」というどこかのシェフが言ってたセリフにぴったんこの彼女の「お母さんのあったかレシピ」(勝手に命名スマソ)も、私にとっては見逃せないものがあるのであった。また手作りおやつや手作り調味料教えてもらお。

そのに

2006年11月17日 | 宗教被害・虐待被害関連
 ~癒し、精神世界とカルト問題~

テレビでもスピリチュアル系の番組がお目にかからない週はない。
私はテレビのスピリチュアルは「娯楽」だと思っている。
テレビは基本的に「事実より視聴率が中心」の世界だ。

 それにしても、このスピリチュアルブームって、いったい中身はなにか。
宗教社会学の櫻井教授がいろいろとお話してくださった。
●まず「すぴこん」(スピリチュアル・コンベンション)へ行かれて、いろいろ体験&調査してきたものをご報告いただいた。
 出店の傾向や内容は、数字のデータとしてあり、他に全体風景、出展者と記念撮影などを大型スクリーンで写真を見せていただく。
写真を見た私の印象は、「フリーマーケットが、物のかわりに精神&癒しバージョンになった感じかな」と思った。チャクラチェック、意識覚醒、タロットカード、オーラ撮影、守護霊、霊性整体、パワーストーン、波動・・・うわぁお、聞くだけで胡散臭くて面白そう!(私はサブカルチャーな感覚は楽しむほう)
櫻井教授の「オーラチェック」の写真も見せていただいた。
「どうやら私のオーラは健康らしいです。」とのこと。
一応、当然のことながら、すべて有料らしい。
 ええ~・・な店もあるようだ。
「これを塗ればどんな悪いところも治せます。頭に塗れば髪もふさふさと・・・」
「これを食べることで、あなたの健康が~・・・病気が治・・・」
それって、ほんとにインチキじゃ・・・・

●スピリチュアル系の層は、若年層~中年層で、ほとんどが女性で、すぴこんの集客率も、かなりよいそうだ。説明のつかない現象やオカルトって、女子は特に小学生の頃から非常に惹かれるものである。
 集まる人は、だいたい悩みや不安があり、自分の責任を感じる中、自己の構築を図るために出かけたり、癒されに行ったりするようだ。
「守護霊や過去世、オーラなど、何かの原因」があり、それを解決することにより、「今までの自分」ではない「新しい自分」「本当の自分を取り戻す」、という図式らしい。
が、ちょっとした落とし穴もある、と櫻井教授はいう。

◆本当の自己を取り戻すには、お祓いなどをしなければならない。

◆するかどうかは自己責任

◆結局お金と責任の負担は自分。

ということで、何かに原因を見出したはずが、結局自分の中に責任が生じる結果になる。

●また、現代社会が、迷信的なものを好む傾向にもあるようだ。
例えば、血液型占いなどでも信じる割合のグラフなど見せていただいても、信憑性はなくとも、マニアック(?)に信じる人が増えている。
占いや祈祷や供養なども、既成仏教でも宗派などによっては今でも普通に行われていたりもする。けれどスピリチュアルは、既成仏教や新興宗教とは別の魅力を持っているのだろう。

 スピリチュアルは、宗教性があるが、どこの宗教性によるものなのかが、実に曖昧である、というのが宗教学の櫻井さんの見方らしい。
 とある人は宗教とスピリチュアルのちがいを例えて「砂糖とサッカリン」と言った。「本物の甘さと代替甘味料の甘さ」。

 私がお会いした中には、町の悪徳占い師に監禁され、何千万もの財産も奪われ、夜中に命からがら脱走してシェルターに保護された女性もいらっしゃった。現在専門の宗教被害者ケアに通われている。命があっただけでもよかったと思う。
シャレにならないことも、実際に起きている。そういう占い師も、表だけみてもわからないだろう。当然だけど、悪徳業者は「悪徳です」とは看板も名前も出していない。

有田さんがこんな話も紹介してくださった。

「生きがいというのは、
神秘体験(ドラッグ体験も)があるからといって、生き方全般に意味を持ち得ない。
人間的根本的な生き方を送ることで、得られるものではないか。」『生きがいについて』(神谷美恵子 著)

そのとおりと思う。

そのいち

2006年11月15日 | 宗教被害・虐待被害関連
 
『人間集団を攻撃的にするのはいとも簡単である。
自分達が攻撃されている、と思わせればいいのだ。
そうすれば、どんな集団でも、ただちに攻撃的になる。』

 ドイツナチスのナンバー2だったヘルマン・ゲーリングの言葉だそうだ
 こうして攻撃的な集団、戦闘テロリストは「育成」される。
闘争心を育てるには、危機感や恐怖心で人を煽ることはとても効果的らしい。
 今回のシンポジウムの情報提供者の一人である伊東乾氏の研究内容には
非常に興味深いものがあった。
そのなかのひとつ。
 東北大学川島教授の脳活性化ドリルは良く知られていると思う。
ニンテンドーDSに向かって真剣になってみたのは、私だけではないと思う。
今回、伊東氏の研究対象も、「脳」である。
しかも、マインドコントロール関連という。
その働きの例を、大型スクリーンでいくつもの実験例を見せていただきながら説明していただく。

喜怒哀楽などの感情によって、脳の血流量は変化する。
例えば嬉しいとか、癒される、などの時は、脳の血流状態も良いそうだ。
恐怖を感じると、急激に脳の血流が悪くなり酸素供給が行き届かなくなる。
「強度の情動が引き起こされると、高次皮質のニューロンは酸欠状態となり、悟性の作動を抑制して、反射的、動物的な反応になる。」
「いわゆる一種の麻酔の効果、人間の脳の本能的な危機回避の手段なのだ。」

つまり、危機感や恐怖感によって頭に血がまわらなくなり、認知レベルが下がる。理性は働きにくくなり、とても衝動的、本能的な行動・情動になるというのだ。
 マインドコントロールというものが、決して単なる理論や概念ではなく、
脳血栓と同じくらい、生理的に明らかなものである
と研究された伊東氏はいう。

参考書籍「さよなら、サイレント・ネイビー」(伊東乾 著)

まだはじまったばかりの脳と心と宗教の科学的な関連性。
でも、すでにここまで踏み込んで研究する事が可能になっている。
これからも、マインドコントロールの研究は進んでゆくだろう。

シンポジウム参加の記念に、ご本人から素敵な言葉も添えていただいた。
「静慮」 (裏表紙に私の本名と挨拶もきちんといれてくださる心遣いに感謝※)
懇親会でも、さらに立ち入ったお話などもさせていただいた。
私の愚問にも真剣に答えてくださってありがとうございます。

ふと思い出したのは、以前ご一緒させていただいた元極道の妻だった姐さんである。
「やたらと威張り散らしている与太(与太郎。いわゆるチンピラ)ほど、気がちいさいんだよ。怖いもんだから、相手を近づけさせないようにやたらと威嚇してさ。
大物はもっとゆったりしてるものさ。あいつら、本当はかわいいんだよね」
 姐さんは、相手の弱い部分を握って脅して人を支配するのがとても上手な人で、
反面、人一倍義理立てや人情にも厚く、非常に面倒見の良い方でもあった。
極道世界の元恐喝のプロでもある。
イケナイ薬、恐喝のノウハウ、体の刀キズ、刑務所の話、新興宗教発足(教祖は極道の親分)→教祖死亡により廃業 など、さまざまなお話も聞かせていただいた。
スナックで歌えば、周囲のお客さんから必ずチップがいただけるほど、歌が抜群に上手かった。
彼女が極道に入ったのは、歌手を目指していた16歳の時、親分の性暴力がきっかけで、そのまま逃げる事もできず籍を入れられた。その話は、何度も何度も話していた。
夫の死後、極道から仏道へ目覚めて歩んでいかれた方でもある。


さて、文頭とは逆に、平和な言葉を。

『いやいや、みなの衆、それはいかぬぢゃ。

これほど手ひどい事なれば、

必ず仇を返したいのはもちろんの事ながら、

それでは血で血を洗ふのぢゃ。

こなたの胸が霽れるときは、

かなたの心は燃えるのぢゃ。 』

(『二十六夜』宮沢賢治)さあやさんご紹介。

※裏表紙に伊東氏の提案で私の本名へのメッセージをくださったのは、今思えば、私にとってとても大事なことだったと、今は思える。

2007年5月、修正加筆