「カルト宗教のトラブル対策」より。
【日本の宗教事情の特性】
1. 日本政府や公共団体、警察、司法は、宗教に関わる人権侵害や消費者問題に対し、あまりにも慎重だった。(第二次大戦まで天皇崇拝の神道を優先、他の宗教は弾圧されてきた。この反省の上に立つ現代の日本政府は、民間の宗教活動にかかわらないようになっている。検察庁や消費者センターでも同様である)
このため、宗教団体による個人の人権侵害が深刻かつ広汎なものになった現代でも、行政や警察はこれにかかわることをさけてきた。
2. ほとんどの学校で宗教の基礎さえ教えていない。
宗教とかカルトの国民の間の共通のコンセサンスがない。(欧米ではクリスチャニズムがあるため逸脱した活動は論じられる)。
現在社会問題を起こしている宗教団体の多くは、1970年代の高度経済成長以降に生まれた。しかし、新しく生まれた団体だけを法律上問題にする合理性はない。日本のカルト問題の難しさの原因のひとつ。
3. 第二次世界大戦後に急成長した新宗教団体が政治に深く関わっている現実がある。
議会でカルト問題を討論しようとすると、どうしても大政党に影響力を持つ新宗教団体の意向が意識されてしまう。
本来ならば、加害者的立場のカルト的宗教団体の利益と、市民の人権や消費者としての利益をどう調節するかという討論がなされるべきだが、政党のバックにある宗教団体の利害や意向と深く関わる議論になってしまう。
このため、日本の国会ではカルト被害者の人権をどう守るかという率直な議論になりにくい。
4. 日本人特有の宗教意識。
先祖崇拝、たたり信仰など。
カルトの供養の献金や不当な説明を受け入れやすいために莫大な資金を集めやすい。
『肝心なことは、セクト的逸脱と、効果的に闘える現行の条文を最大限に活かし、これを体系的にかつ厳正に施行することである。
そのために、まずセクト現象とそれが内包する危険をもっとよく知ること~これが専門の監視機構の設置につながる~、そしてもっとよくしらしめることである。
さらに、現在の法体制を若干調整することは望ましいことだと考える。
最後に、元信者が社会復帰をするために援助を得ることは大切である。』(本文中より)
セクト と日本のカルト事情について書かれた本からあらためて一部抜粋。
地球の大きさから見ても小さい日本に、いろんな宗教があり、いろんな信者がいて問題がおこっているというのに、私達はあまりにも宗教事情に無知だといえるのではないでしょうか。
日本の弁護士の皆さんが書かれたカルト問題について、ぜひ本を読まれることをおすすめします。
私達に出来ることは、何か。
【日本の宗教事情の特性】
1. 日本政府や公共団体、警察、司法は、宗教に関わる人権侵害や消費者問題に対し、あまりにも慎重だった。(第二次大戦まで天皇崇拝の神道を優先、他の宗教は弾圧されてきた。この反省の上に立つ現代の日本政府は、民間の宗教活動にかかわらないようになっている。検察庁や消費者センターでも同様である)
このため、宗教団体による個人の人権侵害が深刻かつ広汎なものになった現代でも、行政や警察はこれにかかわることをさけてきた。
2. ほとんどの学校で宗教の基礎さえ教えていない。
宗教とかカルトの国民の間の共通のコンセサンスがない。(欧米ではクリスチャニズムがあるため逸脱した活動は論じられる)。
現在社会問題を起こしている宗教団体の多くは、1970年代の高度経済成長以降に生まれた。しかし、新しく生まれた団体だけを法律上問題にする合理性はない。日本のカルト問題の難しさの原因のひとつ。
3. 第二次世界大戦後に急成長した新宗教団体が政治に深く関わっている現実がある。
議会でカルト問題を討論しようとすると、どうしても大政党に影響力を持つ新宗教団体の意向が意識されてしまう。
本来ならば、加害者的立場のカルト的宗教団体の利益と、市民の人権や消費者としての利益をどう調節するかという討論がなされるべきだが、政党のバックにある宗教団体の利害や意向と深く関わる議論になってしまう。
このため、日本の国会ではカルト被害者の人権をどう守るかという率直な議論になりにくい。
4. 日本人特有の宗教意識。
先祖崇拝、たたり信仰など。
カルトの供養の献金や不当な説明を受け入れやすいために莫大な資金を集めやすい。
『肝心なことは、セクト的逸脱と、効果的に闘える現行の条文を最大限に活かし、これを体系的にかつ厳正に施行することである。
そのために、まずセクト現象とそれが内包する危険をもっとよく知ること~これが専門の監視機構の設置につながる~、そしてもっとよくしらしめることである。
さらに、現在の法体制を若干調整することは望ましいことだと考える。
最後に、元信者が社会復帰をするために援助を得ることは大切である。』(本文中より)
セクト と日本のカルト事情について書かれた本からあらためて一部抜粋。
地球の大きさから見ても小さい日本に、いろんな宗教があり、いろんな信者がいて問題がおこっているというのに、私達はあまりにも宗教事情に無知だといえるのではないでしょうか。
日本の弁護士の皆さんが書かれたカルト問題について、ぜひ本を読まれることをおすすめします。
私達に出来ることは、何か。