ターザンが教えてくれた

風にかすれる、遠い国の歌

小暑 温風至

2011-07-12 22:16:55 | 日々

暑いですね

暑いですね

もう口に出して何度でも言うよ

ものすごくあっついですね


いつものジムは
区が運営している公共のジムなので、
この節電のご時世
7月にならないとエアコンが入らないとかで
それはもう暑くてたまらんかったのです。

日曜日の昼間にスクワットしたら、
体温が上がりすぎてぶっ倒れました。

新聞に報じられた
運動会で16人の中学生が熱中症で
救急車で搬送されたという競技場のグランドは
はい、このジムのすぐ隣にありますです。

でも、その騒ぎのおかげで
危機感を持った区の運営が
急いでエアコンを解禁にしてくれたのには
ほんとうに小躍りで喜んだb-minorです。

そんな身も心だって
とろけ出しそうに暑い毎日ですが
みなさまいかがお過ごしでいらっしゃるでしょうか。



その、ジムなんですけどね、
そこで毎回とはいかなくても
2日行ったら必ず顔を会わせるような
ジムのお仲間さんの中でも
それはそれは一段と身体の大きい
いつも「すごいなぁ~」と指をくわえて眺めている
マッチョな方がいるんだよね。
大東島さん(仮名)って言うんだけど。

その大東島さん、
いつだってストイックに
ひとり黙々とトレーニングをされる方で
正直言って、この僕の憧れの人なんだけど。

大東島さんとは自分と歳も近いせいもあって
何かとお話しをする機会があるんだけども、
この前つい訊いちゃったんだよね、
「(ボディビルの)大会はいつ出るんですか?」って。

だって、この人このジムの中でも
一際その筋量もある大きな身体で
もう絶対に大会に向けて毎日
ハードなトレーニングをしてるんだろうなぁって、
ずっとそう思ってきたんだね。

そしたら、さ。

「自分は大会とかには興味ないんですよー」

とか、笑いながら言っちゃうわけ。

そんなすごい身体をしていて
それは何とももったいないと思って
その理由を聞くと、

もともとは本当に華奢な体格だったのだけど、
カルバンクラインのポスター
(おそらく香水か下着のやつだと思われ)を見たときに
決心したんだって、
「自分もこの身体になりたい!!」って。

その理由を聞いたら
自分思わず拍手しちゃったよ。

なんと、素晴らしい!

カルバンクラインどころか
あの一連の写真を撮った
ハーブリッツ先生だって
天国で喜んでいると思うぞ。

そんなある一瞬の憧れを実現するべく、
それこそ何年もかかってトレーニングして
自分自身の身体を作るなんて
もう気絶するくらいにセクシーだし
かっこいいオトコだよね。

というか、
大東島さん。
あなたの身体、
立派になりすぎて
あのころのCKのポスターを
軽く超えてんですけど!

っていったら、
なんかすげー照れてたw
かわいい!

いつの日か
あのCKのでっかいポスターで
大東島さんがパンツ一丁で
ポーズを決めるのを楽しみにしながら、
わたくしめは
いつも通り地味にトレがんばるっす。よ。



(笑)

 

すぐには手にできないもの

そう簡単には
この自分のものにはならないもの

そんな
ものが、ね、
大事なものなんじゃないの

って思うんだ。




お金を出しても
手には入れられないもの

腕力をつかっても
権力をつかったって
決して簡単には手に入らないもの


そんなものがいいね

オトコ一匹、
そんなものを目指さないでどーするよ

なーんて
ほざいてみる。




この前の震災でさ、
いろんなことが一気に起きて
人がたくさん亡くなって
原発はいつどうなるのかわからない
そのうえ東日本では毎日余震でゆらゆら。

そんな状況の中で
みんないろんなことを考えるんだなぁって思ったよ。

世の中いつ何時どうなるのかわからない、
だから
自分は一度はやってみたかった仕事に転職するんだとか、
一人はやはり心細いから何としても結婚相手をさがすんだとか。

普段には思いもよらなかった
けれども、
これが本当の自分の望みかもしれないな、
とも思えるような考えを誰もが抱えてるように思えてさ。


そんななかで、
この自分自身はというと、

健康で強い身体を作ってゆくことを
絶対に途切れさせたくないなぁ、って
そう思ったんだよね。

震災のために
公共の体育館とかジムの施設は
休館になったり、節電のために
営業時間が短縮されたりと、
定期的に必要なトレーニングの時間に
大きく影響されるようになっていたからね。

だから、
そういった不安定なジムの時間を
うまく補填するようなものがほしいと思ったんだよね。

だから自分の部屋にあった
オーディオセットをたたんで
そのスペースに
筋トレのための寝椅子(インクラインベンチ)と
ダンベルのセットを購入して、
ごく簡単なホームジムをこしらえてみたんだ。


ほら、これでもう
ジムがお休みになろうとも、
仕事が終わって
けだるい夜にだって
時間を見つけてはちょこちょこっと
トレーニングができるわけでさ。

実感として
ものすごく買ってよかった。


何も、先に話した大東島さんじゃないけども、
この自分だってボディビルの大会を目指してるわけでもないし、
この歳で、ゲイナイトのクラブで踊る
マッチョなゴーゴーボーイを目指してるわけでもない。

でもさ、
いろんなことが起こる毎日の中で、
このトレーニングを毎日繰り返して
自分自身を少しずつでも変化させてゆく
そのことが
今の自分にとってどれほど大きな意味を持っているのか
ちょっと自分でも意外だったんだけれどもね。


あきらめて投げ出したり
すぐに飽きてしまって簡単に手放したり

そんなことばっかりの自分だけども、さ

これだけは絶対にやめたくないんだ、ってことが
おそらくこれなんだなぁって思った。


強いからこそ、人にやさしくなれること

厳しいからこそ、人に温かくいられること

世の中のプレッシャーの重さを愉しむことができて
またそれを跳ね返すタフさがあることの逞しさ。

それらのことを
この僕はもっとも美しいことなのだと思うこと。


今の自分にはどれだっててんでできないことだからこそ
何年かかったって
それこそ最後までたどり着けるものではないのかもしれないけれど、

それを目指そう、と思うことを止めたくないんだよなぁ。
絶対に、何があろうとも。

いろんなことがあるんだけれどもさ、
その中でも
僕はやっぱり一番に考えるのが
このことだったんだよねー

って感じですか、ね。

今は。

ただこのびっくりの暑さで
ちょっとばかりこの頭もボケてんのかもしれないんだけど、

この夏、
僕はそうやって毎日過ごしておりますです。






小暑 温風至 しょうしょ あつかぜいたる



暑中見舞いにかえて。