ターザンが教えてくれた

風にかすれる、遠い国の歌

桜らららら

2007-03-11 18:22:04 | 香り様々
もうすぐ、もうすぐ、あとちょっと。

さくら、さくら、桜の季節がやって来る♪♪

今年は暖冬だったせいで、
少し早く、東京では18日頃?が花盛り予想らしくて、
おっと、うかうかしてる間に、
ほんとに目前に迫りましたな。

去年の桜はね、なんだか勇み足だっちゃって、
もう待ちきれん!とばかりに
友人と繰り出した皇居のお堀、千鳥ヶ淵も、
実際はまだまだ5分咲きって感じで、
ちょっとさみしゅうございましたね~、あれは。
おまけに夜の風はまだまだ薄ら寒くってさ、
友人とふたり震えながら桜の樹の下を歩いたです。

所々に街灯のついたお堀端の道を
それでも結構な行列を作ってみんな歩くんだけれど。
暗闇に次第に眼が慣れてきたあたりでびっくりしたのが、
その街灯の明かりが届かない暗闇スポットのあちこちに
ひっそりと人が集まっての宴が始まっていた事。
寒風吹く暗闇でみんな地面に車座になっての姿に、
「絶対!花見をしてやるぜ」っていう執念を感じた。

「ひゃ~、寒い、寒い」ってぼやきながら、
とぼとぼと三番町まで歩いたら、
そこにある大きなネオンサインに誘い込まれるように
入った店は「Tony Roma's」。
バーべキューリブの上手い店で有名なんだそうで。(友人談)
東京の夜桜見物と洒落込んだつもりが、
結局は、ふたりして、手掴みのバーべキューを
口の周りソースだらけにしてかぶりついていたと言う
まぁ、情緒も何もあったもんじゃない桜見物だったので、

今年こそは、ちゃんと計画を立てたいと思っている。
気も狂わんと咲き誇るあのソメイヨシノを堪能してやるー。

とばかりに、そわそわ、そわそわ。

桜の名の付くものはどこかに無いものかと探してみるうち、
先ずは、さくらの香りというものを、
ちょっとばかり選んでみようかと思い立ちました。



○GUERLAIN Cherry Blossom ゲラン・チェリーブロッサム

桜の香水の元祖、おゲラン様です。



ゲラン4代目調香師ジャンポール・ゲランが、
日本の染井吉野を見て、その儚いあまりの美しさに感動し、
そのイメージを香水に仕立てたと言われているんだけど、
やっぱり、これは素晴らしい傑作だと思いますね。

一言で言うと。。。って、
いやいや、とても一言では表わせません。
このチェリーブロッサム・オーデトワレ、複雑で奥の深い香り。

肌に乗せるとまずは、ふくいくとした緑茶の香りがします、
そこに一瞬だけ重なるのは、柑橘の皮の飛沫。(ベルガモットだそう)
お茶の渋みが抜けてゆくのと同時にいよいよお出ましになるのが、
今回の主役「さくら」。っていうか、「桜餅」ですね、これは。
あの桜餅の葉っぱの独特な甘い芳香(クマリンって言うんだって)。
それが、正体を露にする事もないままに、
ふわりと甘い香りをとても品良く醸し出していて。
このしとやかで控えめな日本の甘美ってやつをね、
フランス人がよくぞここまで表現してくれたと感動ですよ。
ラストに向って薄っすらと香るのはアーモンド、
そこに最後の一押しって感じにコクを醸し出すから、
これ何だ?と思っていたら、蜂蜜だそうで、
「もう、参りました」ってこれを使う度に思う。

おそらく香料のクオリティそのものがうんと良いんだよね、
移り変わる香りのどの瞬間もが芸術的。
人の嗅覚では分析する事が出来ないような深い芳香、
そんなものがこの桜色のボトルに収まっているかと思うと
もうかっこ良過ぎて駄目だ。悶絶してしまいますですな。(笑



○資生堂 尾道の桜

 

○資生堂 角館しだれざくら




資生堂が地方の観光都市をテーマにして
いろいろな郷土香水を作っている中から、さくら2種。

尾道の桜は、
ほのかでやさしい桜というか、一昔前の化粧水のような
淡いおしろいの清楚な甘さが絶品かな。
決してでしゃばることのない日本の良心って感じ。
ただ、香りは単調で飛びも早いので、
香水というよりも、よく出来たトイレタリー商品かもしれない。


一方で、角館しだれざくらはというと。

トップからさくらんぼのフルーティーな香りがします。
それに重なる石鹸のような香りはなんだろう。
弾むような軽快な香り立ちかと思っていると、
次第に顔を出すのは、桜餅の甘味が厳かに出てくる。
ほほぉー、この香水は良く出来てますねー、
移り変わる香りのリズムがちゃんと
フレグランスの体裁を保ってる。
こんな香水を資生堂に作ってもらった
角館の人たちうらやましです。


○ポーラ サクラガーデン EDP



うーん、これは。。。
ホワイトムスクかな、もわっとしたムスキーなトップに、
やわらかい花の香りが重なって、
次第に顔を出すのが、ガムのような甘さ。
なかなかやさしくて良い香りなんだけど、
個人的にはさくらではないような気がします。


○カネボウ トワニーにほい桜



おおー、これまた「さくら」というよりも、
カトレアのような蘭系の花の香りだねー。
かなり華やかさん。
それに次第に百合も香り出してしまったよ、
最後の最後に一瞬桜餅っぽい甘さがわかるような気もするが、
いやいや思い過ごしでしょう。
まったくさくらではありませんがな。(泣


○フラゴナール スリジィエ アンフルール



やさしいなぁー、
ものすごくソフトな白い花の香りと
リアルな植物の香りっていうか、
花の茎をポキンと折ったときにわかる、
青くみずみずしい自然の香り。
それらがすごく控えめに漂う感じがするね。
桜の花ってさ、実際の芳香はほとんど無いので、
ほんとイメージで創造するしかないんだけれども、
これはほんとうにソメイヨシノの花の下を歩いている
気分にさせてくれるような気がしますね。
穏やかに香る秀逸な香水でした。


○ロクシタン チェリーブロッサム EDT



もう、予想外の展開でやられましたなぁ、ロクシタン。

チェリーブロッサムではなくこれは「チェリー」の香水ですな。
すごくおいしそうなさくらんぼの香りがする食品みたい。
あのさ、実際の香りとは程遠いんだけど、
なんだか記憶に残っている香りってあるでしょ、
人工的なんだけど美味しそうだと感じる
ジュースやお菓子なんかの果物の香りとかさ、
それなんだよね、このチェリーの香水はさ。
甘酸っぱくてジュージーでほんとおいしそう。

ご存知の方もいると思うんだけど、
このロクシタンっていうコスメブランドは、
商品名にオリーブやラベンダーなどの名前をたくさん使って
いかにも自然派を思わせる作り方なんだけど、
じつは全然自然派化粧品ではないですよ。
添加物もごく普通に入ってるし、
香水もおそらく人工香料100%だと思うもんね。
でも、そのイメージ作りがほんと上手いんだなぁ。

今回のこのチェリーブロッサムも、

「最初の春風にふわり
かけがえのない桜が舞い降りる」

遠きあの日に
交わした約束を想い起こすような

頬そめた、約束の香り。
甘せつない。桜桃花フレグランス。

なんてさ、書いてるこちらが気恥ずかしくなるような
コマーシャルで打て出てくるわけよ。
で、そのプローモーションでも、
この赤面詩集のパンフレットが配られたんだけどさ、
まずいわけよ、それはとても。。。
だって、発売まで2週間飽きずにそのパンフレットを
眺め回した挙句に、
結局は発売日に伊勢丹にすっ飛んでいったもんね。(恥

すっかり乗せられてんじゃんかよ>自分。

そんなわけで、
今まではと言うと、
結局はやっぱり「おゲラン」さまだろうよ、
とばかりにゲランのチェリーブロッサムだったのが、
今年はこのロクシタンのとんだ伏兵によって
桜見物の本番は何を纏うかと、
うれしい悩みとなっております。

今年の隅田川の堤防の桜もどうだろうね、
綺麗に咲くといいなぁ~。。。
墨田区と台東区を結んでいる
その名も「さくら橋」のたもとには、
毎年即席の茶屋が出来るんだけれども、
そこではなんと向島の芸者さんがサーブしてくれんの。
それがねぇまたいいんだよねー。
で、その芸者さん目当てに、
下町の親父たちがワンサと群がってる図というのを
遠めに眺めながらの隅田川桜見物というのも、
なかなか趣があってというか笑えていいよ~。

梅は咲いたか 桜はまだかいな♪

あー、桜、さくら、はやく咲け。

Umewaka 3月

2007-03-03 22:56:58 | モノローグ
アウトソーシングっていうの?

突然だったもんなぁ、
みんな、居なくなってしまうんだもんなぁ。

以前にも話したように、
僕は今、区内にある公共のスポーツ施設に通ってるんだけども、
そこに通いだして半年くらい経った頃かな、
ようやく見つけた、筋トレに詳しいトレーナー(指導員)。
その人は確かにとっても良い体躯をしていて、
自称「趣味が筋トレ」だそうで、
その言葉通りに、トレーニングに関して、
まぁ知識も経験も豊富で詳しい、そして、厳しい。

初心者の僕がへっぽこなフォーム(姿勢)で
懸命にトレーニングをやっている時に、
見るに見かねてだと思うんだけど、
向こうから声をかけてくれて、
もう、身体の筋肉の付き方のレクチャーから
マシンの有効な使い方までを、
ほんとみっちりと教えてくれたんだよねー。

で、ここで自分で言うのも何なんだけれど、
自分は興味を持ったらちゃんとやる人なんだと思う。
中途半端ってつまらなくていやなんですよ。
だから、それ以後は機会がある毎に、
そのトレーナーからすごく真剣に教わるようになって、
しまいには、マシンの補助までお願いできるまでになった。
あ、補助っていうのは、
限界ぎりぎりまでがんばって力を出し尽くさせるように
するためにトレーニングを手伝ってくれる人のことです。

このような公共のスポーツ施設っていうのは、
筋肥大のための筋トレというよりも、
ダイエット目的の有酸素運動のついでって感じで
トレーニングをする人が多いようで、
だからみなさんとってもおとなしいし、
トレーナーもそっちの方に指導しやすいみたい。

筋トレには、だいたい2通りのやり方があって、
まず、持久力や瞬発力を鍛えてスタミナのある身体を目指す、
言わば、アスリート系と、
ひたすら大きな身体を目指す、ボディ・ビルディング系。
それぞれのトレーニングの方法はかなり異なっていて、
自分の目的はどちらなのか、そして、
その方法論をどれだけきちんと理解して実践するかで、
身体の変化は大きく違ってくるんだよね。

特におもしろいなぁーと思ったのが、
トレーニングを始める前に、
今から鍛える筋肉を自分の指先で軽く触ってみるという事。
触る事でその筋肉をよく意識する事が出来るので、
その後のトレーニングにたいへん効果的なんだよね。
普段の生活の中ではこんなことってまず意識しないじゃん。
だから特定の筋肉を意識して動かすって
はじめはなかなか出来ないんだよね、これが。

だから、一生懸命に胸を鍛えているつもりでも、
実際にはウェイトの負荷のほとんどが腕にかかっていて、
次の日の筋肉痛も両腕ばっかりが痛くなったりしてさ。
こーゆーのは、すごくもったいない失敗なんだよねー。
あぁ、今ここに負荷をかけているんだなぁ、ってのを
ちゃんと理解できる事がいかに大事かって事なんだけど。

だから、このようやく見つけた、
ボディ・ビル系のハードコアなトレーナー、
ほんとうに貴重なわけでしてね。
この人の当番の日はもう張り切ってがんばったもん。


「はい、限界はまだまだ!あと2回!がんばれ!」(トレーナー)

「あぁああああああ」(ワタクシの苦痛で声にならない悲鳴)(笑


筋肥大のためのトレーニングって、
いかに多くの筋繊維を傷付けて壊す事が
できるかにかかっているんだそうで、
そうすると身体は、「こりゃやばい!身体が壊れるぞ。
急いでもっと強い筋肉を作らなきゃ」とばかりに
以前よりもより大きな筋肉を作ろうとして、
結果が、少しずつ筋肉が肥大すると言うことらしい。
おまけに、苦しい思いをするほど尚効果的だってんだから、
最初は、誰が好き好んでこんなたいへんな事をするんだ!
なんて思ってたけど、

これが、結構、気持ちいいいです。
快感って言ってもいいかもしんない。(恥

身体ってさ、ほんとうに良く出来ていて、
力を出し尽くして「もう駄目だ。限界」って思ってても、
実はまだちゃんと余力を残してるんだよね、ちゃーんと。
まだ使っていない筋肉が準備されてるわけ。
でないと、そのまま行っちゃうと身体が壊れるんでね。

でも、そこをがんばって限界ぎりぎりを攻める事こそが、
筋肉を肥大させるセオリーらしい。

だから、一回のトレーニングの中で、
なるだけ多くの筋繊維に負荷の刺激を与える事が重要で、
ひとつの筋肉を手を変え品を変えて、
その限界まで追い込むって言うんだけど、
これがねぇまたなかなか難しい。

でも、このトレーナー先生のおかげで、
少しづつこの限界までがんばるってのが出来るようになって、
上手く出来たあとでは本当に動けなくなってきた。
足のトレで追い込んだときは立てなくて何度も転んだりしてさ、
そんな人はこのジムではあまり居ないので、
みんな結構引いてたんだけれどもね。。。

そうそう、

そのあまりハードなトレーニー(トレーニングする人のこと)
がいないこの公共のジムの中にも、
ほんの何人かは「あ、(ボディ)ビルダーだ」って思う人がいて、
その人らと一緒になった時は、
自分のトレはそっちのけで見学するですよ。
もうね、見つめまくっちゃう。
ウェイトを扱うフォームも綺麗だし、
なんと言っても、彼らは無駄に休憩しないんだよ、
トレとトレの間のインターバルも30秒や1分とかで、
もう次のセットに行くんだよねー。
これはねぇ、きっついぞ。
身体は本当に悲鳴を上げるようなんだけど、
とっても大事な事なんだって。
その重要さは彼らの身体が証明してる。
やはり、その人自身の身体の発達っていうのが
何よりの説得力なんだと思う。
だから、そのトレーナー先生の言う事を
信じることができたんだよね、僕は。


でも、
そんな素晴らしいトレーナーとの蜜月も、
長くは続かず、淋しいお別れは、
或る日突然やってきたのでした。


ほんとはそのトレーナー先生を予約でもして
独り占めしたかったんだけれども、
何と言ってもその人はあくまでスポーツ施設の
職員さんであってさ、無理も言えない訳で。。。

だから、こちらの行ける日とその先生の当番が違って
なかなか会うことが出来ない日もあったんだよね。
それにその頃ちょっと体調を崩したりなんかして、
2週間ほどトレが出来ない日が続いていたんだ。

で、ようやく時間が出来て、
「今日は先生の当番の日だといいなぁ」と、
久しぶりのトレーニングに期待も高まって、
ワクワクしながらスポーツ施設の受付に行くと、

なんだか雰囲気がね違うんです。

知らない人ばっかり。
妙にとり澄ました真っ白な制服に、
「コナミ・スポーツ」のネームが見える。


「え、。。。えぇ???何??」


アウトソーシングってやつなんだってさ。

今まで区が管理していたこのスポーツ施設を、
民間に業務委託したんだって。

でね、

今までの区の職員さんだった
あのトレーナーの人たちは、
みんないなくなっちゃった。(泣

もう、ほんとびっくり。

ひとこと言ってくれよー。。。
「ありがとう」も言えないじゃんか。。。


新しいコナミのみなさん、若いなー、明るいなー。
なんだか場違いの所に来たみたい。。。

思えば、いろんな公共のジムを体験して、
結局ここに決めたのも、
ひとつには、あまり洗練され過ぎていない、
微妙なお役所の雰囲気が残っているのが好きだったんだよね。
指導員の制服も田舎の体育教師みたいな、
青いジャージの上下だったし、
壁には一面に手描きのストレッチの図解が貼ってあったりさ。
そんな、ハイタッチな手作り風味がとても居心地良かったねー。

それに比べると、
コナミスポーツってさ、当たり前だけどプロなんだよね。
もう、すごい速さでみるみる施設を変えて行った。

野暮ったい手描きのポスターの類は、
本部のデザイナーが作ったお洒落なものに替わり。
ストレッチのための美しいビデオが絶え間なく流されて、
毎回入場時には、ミニゲームと称して
コナミのトレーナーとゲームで勝負したりさ。
そんでその成績順を貼り出されるの。(笑
あと、スタンプラリーとかのやつ、
施設を利用した回数によって景品が出たりしたな。

とにかく、この新しいコナミは、
明るく元気で健康な雰囲気作りに余念がない感じだったね。

でもさ、残念ながら、
僕にとってはそんなものはあまり興味がないですよ。

今までなかった、エアロビクスやヨガ、ボクササイズなどの
ライトなスタジオメニューもぐんと充実したんだけど。
個人的には、そんなものよりも新しいジムのマシンを
入れてもらった方が断然嬉しいなぁー。

それに、
以前はね、入会時には講習会というやつが必須になっていて、
その講習会の中で細かい規則や、
ジムでのマナー(大きな音でウェイトを置かないとか)を
丁寧に習う事が出来たんだけど、
コナミはその講習会も止めちゃった。
そのほうが確かに初心者にとっては敷居が低いんだけれど、
その分ね、ストレッチもろくにしないで、
ジムの中でふざけたり大声で話したりする学生らも、
うんと増える事になった。

しかし、
彼らを非難することは出来ないと思うんだよね。
だって、誰も教えてあげていないんだものさ。
だから本当に身体を鍛えるという事の面白さを
十分に味合わないまますぐに来なくなっちゃうんだよね。

それって、「もったいないなぁー」と思う。

何かを正しく理解するってさ、
とても時間もかかるしたいへんな事なんだと思う。
なんとかすぐに習得できる近道は無いものかと
いといろとやり方を考えるんだけれど、
結局は、その時点ですでに確立されている方法を
きちんと出来るようになる事なんだよね。
それが一番早い道っていうかそれしか無いのだよ、
もちろん地道な努力と時間が必要だけれどね。
そして、それを自分で出来るようになってはじめて、
もっと自分に合うようにその方法をアレンジしたり、
また、うまく手を抜いて合理化ってことが
出来るようになるんじゃないかな。

何かを本当にわかる事ってさ、
ベーシックを理解したうえで
あえてそれをちょっとだけ崩して
自分のスタイルを作って行く事だと思う。
そして、その奥にこそさ、
本当に洗練というか面白いものがあると僕は思うわけ。

だから、
ジムの初心者にとっては、
トレーニングの基本やマナーを
はじめに何も教えてもらえないって事は、
それはとても、すごく、残念な事なんだよね。
本当の面白さに出会うことが出来ないんだもん。

筋トレをスポーツとして捉えると、
これもまたものすごく興味深く楽しいものだと、
僕は本当に思うんですけどね。。。


それから、この出来事で感じたのは、
環境が変わることってほんと大変な事で、
その新しい雰囲気に慣れるまでには時間がかかるなぁという事。
何事もそうなんだけれども、
新しい環境で新しい人たちと、
また一から信頼関係を作らなきゃならない事ってさ、
やっぱりたいへんだもんね。
世の中に不変のものは何一つも無いぞって
この頭ではわかっているつもりでもさ、
あまりに急激に変化する環境には、
もうこの身体が慣れなくっていろいろと苦労するなぁ。

実は、
どうしたものかとかなり考えてしまっていたんです。
楽しく明るい雰囲気作りもいいけれどさ、
ジムエリアの中でトレーナーが、
無邪気な学生と一緒に騒いじゃだめだろうよ。
追い込みかけて重量上げている時には、
気持ちが集中できなくてこっちが怪我するよ。
それに、その入場時のゲームなんだけどさ、
受付でチケットをトレーナーに渡す時に、
さぁ、一緒にこのゲームをやりましょうって言われるんだけど、
回数を重ねる毎に、だんだんと声をかける人と、
声をかけない人が出てきちゃった。
やっぱりトレーナーはのりのりでやってくれる学生が良いらしく、
年配の利用者には声をかけないんだよね。
これは、見ていてほんとうに気持ちが悪い。

ま、向こうも悪気はないんだとは思う。
でも、ここは公共の施設なわけで、
些細な事かもしれないんだけれどもさ、
やっぱりそんな不公平はあってはいけないと思うんだよ。
それに、この施設にもう何年も通い続けているお得意さまって
彼らが声もかけないその年配の人たちなんだよね。

最初はさぁ、このコナミの彼らも慣れないところだろうし、
しばらく様子を見ようと思っていたんだけれども、
なんだかジムに行ってストレス溜まるって
ものすごく違うだろ!って思ってさ、
その中でも一番話のわかりそうな女性トレーナーに、
やんわりとでもちょいぴりっと意見を言ってみた。(笑

実際は、
彼らもどうしていいものか模索中だったって事だね。
先任の墨田区の職員からの引継ぎはほとんど無かったようで、
逆に僕が以前の状況をいろいろと詳しく
インタビューされてしまった感じだったもんね。
おまけに、その女性トレーナーなんだけれど、
最後に「あのー、○○町のminorscolorsさんじゃありません?」
とか言い出すもんだからこちらがびっくりだよ。

「わたし。お宅のマンションの前にある食堂の娘です」
「。。。。。。。」
「あーーーーーっ!」(笑

夕ご飯を作るのが面倒だなぁって思うときに、
よく食べに行くうちのマンションのまん前にある下町の食堂。
そこでいつも顔を合わせてるっていうか、
お茶を出してもらったりもしてるんだけどさ、
お互いにまさか、このジムで出会うとは思ってなかったわけよ。
僕はご飯食べるときにテレビは見ないので、
その食堂にはいつも本を持って行ってたんだけど、
その娘さんトレーナー曰く、
「いつも読書をされていて、
とても筋トレをするようには見えませんでした」だって。(笑
ほんと見るからに弱っちぃからねー>自分。
だからつい最近まで、
世の中には似てる人がいるもんだなぁって思ってたんだって。
もー、早く言ってよ。って話なんだけれどさ。

そんなこんなで、
実は他の人からもいろんな意見要望が出ているとの事らしく、
自分たちもほんとうにまだ手探り状態で、
これから利用者の意見を取り入れて改善して行きたい
などの話を十分に聞くことができて良かった。

そのおかげで、
最近は利用者へのアンケートが激しく実施され始めていて、
いや、何もそこまでしなくても。。。
。。。と思い始めているところなんですけども。
だって、そのアンケート用紙は6枚ほどあって、
質問も詳細多岐に渡ってびっしり。
全部答えるのに15分ほどかかるもんだから、
アンケートを渡された利用者のみなさん、
トレーニングそっちのけで、ベンチで黙々と記入してるんだもん。

このようにして予期しない環境の変化に、
なかなか慣れない自分は正直かなり考えあぐねたよね。
もうかなり悩んだって言っても良いかもしれない。
ほんとのこと言ってしまえばさ、
僕自身はやっぱり以前のままのジムが良かったもの。
ハードコアなトレーナー先生を始め、
ジム内でのマナー違反をすれば結構怒られたしね。
だから誰も騒がず黙々とトレーニングが出来たから。
それに、これは僕のわがまま承知で言うんだけど、
スタジオレッスンが増えた為に、
ロッカーやシャワーがすごく混むようになったんだよ。
ほら、ジムの利用者ってグループというのはあまり無くて、
ほとんどが単独利用者なわけでさ、
どんなに混んでいても、うまくばらつくんだけども、
スタジオの彼らは時間になると20人とかが
一斉にロッカーやシャワーを使用するんだよね。
これにはちょっと閉口してしまうな。。。

ま、確かにさ、ハードコアな筋トレなんてさ
それ専用のボディ・ビルのジムでもない限り、
ましてや公共のジムでは望むべくも無いことは
よくわかってるんだけれど、
今ちょうどいいタイミングで、向こうの施設側が
利用者の意見や要望を取り入れようとしているところなんで、
失礼にならない程度にリクエストを続けようと思ってる。

作り手と利用者の希望がね、
どちらも上手く補い合ってさ、
それが誰もが楽しめる充実した環境になれば
ほんといいなぁ、嬉しいなぁなんて感じでさ。。。


と思っていたら、
最近僕の行く時間に、新顔なんだけれど、
とても良い体格のベテランらしい男性トレーナーが入った模様。
初心者に対してのマシンの説明も要所を押さえた手馴れた感じで、
なんだか、ものすごく頼もしくて、
僕は今、彼への期待感がはちきれそうなんです。(笑

マシンをやっている人の横でカウントを数えてあげるその声も、
また非常に素晴らしく美しく響くバリトンだな、あれは。
あ~、その素敵なバリトンでこの自分のカウントもとって欲しいです。
それで、もしよければ補助も是非にお願いしたいぞ。
額に血管浮かせて力んでいる僕を補助しながら、
「はい、まだまだぁ!まだいけるぅ!よし、がんばれ!」
とか、とっても残酷に言ってくれちゃったりなんかするのさ。

「うわ、マジにどきどきしてきたよ」(笑







で、確かめていい?

「僕は、Mですか」