父の文机

近くへ住むようになった娘が
ふと「お祖父ちゃんの机、くれる？」
「PC置きたいし、好きだから」と
つぶやいた。
現在、亡父の文机は両袖下に
小引き出しを置いて私が椅子に
座って使っている。
机の上にはdoll用具が色々と
広げられて作業台のような状態に。
古くて、塗りが剥げている箇所も
あったりして、処分を考えもしたが
父の書斎の雰囲気と自分が子どもの頃
の思い出があり、どうにも
処分出来かねたのだ。下の子に
「〇〇ちゃん、この家継がないかなぁ」と
呟いていた父。しょっちゅう顔を出していた
私には何にも言わなかったのだが。

娘は遊びに来るとお祖父ちゃんの書斎で
変わった本を探して読んだり、模型を
眺めたり庭からの光が射し込む中で
座り込んで色々と楽しめたものらしい。
ああ、自分と同じDNAだなぁと
感慨深い。何か作っているのが
好きだったり、変わった本を探し
机の前に座り込んで時間を過ごす
方向は多少違うが同じだ。

doll用具置き場は又考える事に
しよう。・・・