山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

山梨県の「希少な植物」を見分けるには?

2020-10-08 10:26:00 | 基礎知識
山梨で植物観察をするときに気になっていたことがある。
あまり見かけない花を見つけた時に、それが希少なのかということだ。
それを判別するのに2つのものさしが必要だと最近になって気がつきました。

ひとつは言うまでもなく2018山梨県レッドデータブックです。
はじめて作られた2005年版を改訂したものでこれに記載されていれば希少種ということができます。
このHPに公開されているので参照するか、本を購入して参照すればよくわかります。
ただ最新版はHPなり、最近ではヒメスズムシソウがCRとして追加されました。

もうひとつは山梨県にこれまで発見されていない植物という観点からの希少価値です。
これは何がベースなのか難しいところですが、現時点での私の結論は、
2018山梨県レッドデータブックの概要のカテゴリー別集計表の注釈に書かれている
「山梨県植物誌1982年発行」に新たにレッドデータブックに記載した23種を加えて、
   山梨県在来種の暫定値とした。」という内容の記載に注目した。
この「山梨県植物誌1982年発行」は各図書館に置いてあり、容易に借りることができます。
現在のもうひとつの希少基準は2018レッドデータブック(ヒメスズムシソウを含む)に記載
されてなく、かつこの植物誌に記載されてないものが「山梨県にまだあると認められてなく
希少なもの」としてます。実際には学術論文などですでに存在が明らかにされていたり、
ネットで情報が飛びかっていたりしているものもあると思いますが、私はこう考えました。
オフィシャルな2140種類の植物以外ということです。

この植物誌は当時の、
◯昭和50年から行ってきた県の貴重植物群落調査の記録と標本
◯秋山樹好氏の記録と標本
◯植松春雄氏が前年(1981年)に出版した山梨県の植物目録
◯中込司朗氏の山梨県樹木目録
基づいてまとめられたとあり、
自生するものと帰化植物、そして園芸種などの逸出植物についてまとめられているものです。

この植物誌は有用なデータなので頑張ってデータベース化しています。
2014種、レッドデータブック記載の新たな種を追加しながらやるのでなかなか進みません。
科目がすでに変わっていたりしますが、それも修正しながらやっています。

ただこの入力の際にもいくつか気づくことがあり、意外に楽しい作業です。
分布については、
多い、普通、少ない、稀、ごく稀   の主に5分類になっていますが
当時 普通と書かれていたものがレッドデータブックに載っていたりしました。

また分布域や産地は7分類で記載されていますが、今の希少種が昔はそんなところにもあった
のかと気づかされることも多いです。
さらに科目の花の全体が見通せるので、すでに存在が知られている植物にも気づきやすいです。
出来るだけ追記しています。
きっとこんな作業は県のほうでもされているんだろうなと考えながら。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿