こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ハイティンクのたくさんあるブルックナーの一枚

2011年05月30日 23時09分34秒 | ブルックナー
先週末の土曜日、新しい車が来ることになりました。今の車は、11年間、208500㎞を走りました。ほんとにご苦労さまでした。朝から車内の清掃をして、ほんの少しですが11年間の労をねぎらいました。いろんなところにキズがあり、車内もそれなりにくたびれています。この車で何回岡山を往復したことか。いろんな思いがこみ上げてきますね。一度も故障することなく頑張ってくれました。ほんとにお疲れ様でした。新しい車も、これから10年は乗りたいと思っています。この車を乗り換えるときは、どんな毎日を送っているのでしょうかね。古い車への寂しい気持ちと新車に乗るうれしさが交錯し、なんともな台風一過の週明けでありました。

ということで、今回はブルックナーであります。交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』。ふり返ってみますと、最近この曲をよく取り上げていますねえ。そんなによく聴く曲でもないのですが…。でも、確かに持ってない演奏を見つけると、ついつい買ってしまいますねえ。このブロクでも、①カラヤン、②テンシュテット、③ベーム、④ブロムシュテット、④リヒター、⑤ケンペ、⑥コンビチューニー、というあたりを取り上げております。

さて、今回はベルナルト・ハイティンク指揮VPOによる演奏です。1985年2月20~23日、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音です。いまや押しも押されぬ巨匠、現役指揮者の最高峰ともいえる、ハイティンクです。ハイティンクのブルックナーは、どうもかの宇野功芳氏の酷評が頭のどこかに残像のように残っておりまして…。「一言で評せば、軟弱の極みであり、愚鈍の固まりであるといえよう」(『モーツァルトとブルックナー』)と、まあこうです。その表現には辟易してしまいます。

それはさておき、ハイティンクのブルックナーは、マーラー同様、いくつかの種類があります。マーラーほど複雑ではないですが、それなりにややっこしいです。まず、1963年から1972年にかけてACOとフィリップスに録音した全集があります。かの宇野氏はこの全集に対しての評価でありました。その後、1978年から再度ACOとの再録音が始まります。これはなぜか7・8・9番の録音で終わりました。そして、80年台に入って今度はVPOとの全集録音が開始されました。しかし、これも3・4・5・8番を録音して、またまた中断してしまいました。なんだか複雑というか、うーん、VPOとの録音は、マーラーの場合のBPOとの録音と状況的には似てますね。でも、こんなことになった理由は、①販売実績が上がらなかった。②ハイティンクのオケとの問題、などが考えられますが、まあ下司の勘ぐりはやめましょう。

このハイティンクの演奏、まず思うのはVPOがなんとも伸びやかで、堂々として、美音の極みを聴かせてくれることであります。そして強弱のバランスも非常によく、聴いていく中で迫力に満ちた展開も楽しめるのです。時間的にはそれほど遅くはないと思うのですが、たいそうゆったりと感じられる音楽は悠々と展開しています。しかし、ほんとにVPOがffからppまでこれほど明瞭に再現できることは、このオケの偉大な実力と、ハイティンクの力量でしょう。第1楽章、各楽器が十分に力を発揮しつつ、存分にブルックナーを展開していく。金管はもとより、たまに聞こえるフルートなどの素晴しさ、それに続く弦楽器、特にチェロなどの響きは閉口します。第2楽章、ここが一番の気に入ったところ。この半ば退屈しがちの楽章を、極めて余裕をもってしっかりとした足取りで進めていきます。VPOの各楽器の美しさに聴き惚れていると、曲はどんどん進んで行き、いつの間にか曲の中にとっぷりと浸っているのであります。第3楽章もまずホルンの心地よい響きから弦の演奏へと、息もつかせぬ展開。しかし、トリオは、第2楽章に続く私の好きなところ。木管と弦の演奏が心地よい。そして、曲は第4楽章。これは曲が好きなところもあって、どの演奏でも受け入れることができます。ハイティンクもしっかり歌っての大団円となります。大がかりな曲となってもVPOは実力を発揮しています。ハイティンクは、オケの実力やそのもつよさを十二分に引き出せる偉大な指揮者に違いありません。

このCD、最近三宮でやっているセンタープラザの中古市みたいなところで、380円で見つけました。帰ってよく見たら「見本盤(非売品)」とありました。だから安かったのですね。もちろん質的には問題ありませんね。
(Philips 412 735-2 1986年)

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