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深まる秋にシューマン

2015年11月03日 23時46分27秒 | シューマン
今年のプロ野球、ホークスの圧勝で終わりました。マリーンズは、CSではファイターズにはなんとか勝ちましたが、ホークスにはいいところなしで敗退。まあ、よく頑張ったというのでしょうねえ。日本シリーズも含めてホークスの強さばかりが目立った今年でした。うーん、なかなかこのホークスの巨大戦力を打ち倒すのは至難の業かも…。しかし、ドラ1で仙台育英の平沢くんも指名でました。今江のFA移籍もあるかもしれませんが、来季に期待しましょう。

またまた久々の更新になりました。今回は、珍しいシューマンの弦楽四重奏曲第1番イ短調作品41-1であります。うーん、この曲はどうなんでしょう。マイナーな気がします。かく言う私も、これまでそれほど意識して聴いたことはないのです。現在レコ芸で連載されている「名曲名盤500」の中にも入っていませんし…。シューマンは、このジャンルを3曲残しています。シューマンが本格的に室内楽に取り組んだのは1842年であり、弦楽四重奏曲(3曲)、ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲などが書かれました。そして、シューマンの室内楽の年と言われている1842年にこれらはまとめて出版されています。

ということで、この弦楽四重奏曲は、1840年にクララとの結婚後、シューマンはベートーヴェンの弦楽四重奏曲を熱心に研究したそうですが、その成果とも言えるものでしょう。へートーヴェンの影響もかなり強く感じられるところもありますが、それはベートーヴェンの弦楽四重奏の偉大さを示すものなんでしょうねえ。第2楽章がスケルツォで、第3楽章がアダージョであったり、対位法的な手法など、うーん、いろんな点でベートーヴェン後の作曲家はしんどいですねえ。

そしてこの演奏ですが、調べてみるとそれなりに録音はありますねえ。今回は、ドロルツ弦楽四重奏団が1965年12月に録音したもの。タワーさんのVINTAGE Collectionのベルリン・フィル室内楽名曲選Vol.1から。ドロルツSQとは、このCDで実に名前を聞きましたね。1950年にエイドゥアルド・ドロルツがベルリンで結成。1950~60年代に多くの演奏を聴かせてくれたSQであります。しかし、HMVさんで検索しても一枚しか入手可能なCDはありませんでした。

この演奏、一昔前のドイツのSQでは、実によく旋律を歌わせてくれます。そして、四つの楽器の絡みがうまく溶け込むように、アンサンブルを展開しています。その弦楽器の美しさ、特に、第1ヴァイオリンが程よい主張をしながら、悠久の美しさを湛えた旋律を抒情的に演奏し、それに時には対位法的に他の楽器が加わり、弦楽四重奏のよさを認識させてくれるのでありました。
でも、こんなにシューマンの音楽が美しいとは、また劇的なところも加わり、いいですねえ。

この曲は構成もいいですよね。ベートーヴェンのようですし、それっぽいですねえ。第一楽章では、もある意味ベートーヴェンの第一楽章みたい。憂いに満ちた中での展開、実に4人のバランスがいいですし、曲の構造もよく理解できる演奏。第2楽章スケルツォも騒然とした中で、それっぽいですし、明快な演奏に気持ちがこもっています。第三楽章のアダージョ、これはいい、美しい曲ですね。伸びやかで樹上的な美しい憂いに満ちております。ドロルツのヴァイオリンもこの美しさを湛えて、これはいいです。弦によるアダージョ。弦の美しい演奏は実にいいです。第四楽章、第三楽章までのしがらみを一気に振り払うような大胆な曲に呼応する演奏。一気に煩悩が振り払われるようであります。そんなはち切れんばかりの弦楽器でありました。

今年は少し寒さが早いですかねえ。秋の深まりも例年よりは早いようですが、どうでしょう。仕事も忙しく、なかなか一息がつけませんねえ。
(DG PROC-1468/9 TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION + 2014年)

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