ミュンヒンガーって、ほんとに懐かしいですね。

私は、以前にも言いましたが、ワラビー（靴ですよ）大好きで、現在バックスキンを２足とレザーのを１つ愛用しております。レザーのが大分くたびれていたので、もう一足欲しいな、ということで、クラークスのお店に行きました。しかし、レザーのワラビーは黒しかありませんでした。諦めようと思っていたときに、ネットで探したら、茶色のレザーを発見し早速買いました。値段12000円ほどでした。通常よりも１万円ほど安かったので、よかったです。しかし、どこで製造され、正規のものかは、不明です（笑）。

ということで、今回もＪＳバッハの作品。というのも、先日ふとブランデンブルグ協奏曲を聴きたくなりました。この曲は、バッハの曲の中でも、最初に聴いた曲でした。と言っても、ＣＤは大して持っておりませんで、リヒター盤やクイケン盤などしかなく、以前にも申したのですが、レーデル盤が欲しいのですが、なかなか入手できないのでした。そんなときに、先日三宮に出張だったときに、ミュンヒンガーの演奏を見つけ、これはこれはと言うことで、買いました。

カール・ミュンヒンガーが逝去されてもう20年になります。バロック音楽が大人気になるきっかっけを作った人として有名です。1945年に結成したシュトゥットガルト室内管弦楽団を率いて活躍したことはつとに知られております。とはいえ、古楽器による演奏が席巻してからというもの、その存在は、それほど注目されなくなりましたが、彼が残した演奏は、ドイツの伝統を踏まえたバロック音楽の演奏としては、無視できないものであります。

ミュンヒンガーは、三度ブランデンブルグ協奏曲を録音しております。1950年のモノラル盤、そして1963年と1972年の録音があります。今回買ったものは、1961年のもので、第３番と第５番、そして、管弦楽組曲の第２番と第３番が収められています。全曲を収めたものもあるのですが、出来たらそっちの方を買いたかったのですが…。これは600円でした。安かったんで、まあいいっかーてところでありました。ブランデンブルグ協奏曲第３番ト長調BWV.1048と第５番ニ長調BWV1050であります。この二曲は、私は大好きな曲であります。

このミュンヒンガーの演奏、非常にリズムがしっかりしており、骨太であります。安定感がたっぷりで、ひたすらしっかりとしているのです、ずっしりとした大木が生えているようなところは、ゆるぎのない素晴らしい演奏となっています。また、弦を中心とした楽器の音色は、かなり明るめであります。加えて、この演奏にはそれほどの深刻さがありません。つまり、音楽を聴いて、何かを深く考えてしまうということとは、無縁の演奏なんですねえ。つまり、これは、非常にかっちりとしたスキの無い、安定感に満ちた演奏であります。そして、それほど心に響くようなものではなく、それでいて各楽器は極めて美しく鳴り響いております。これが物足りないようなときもありますが、それでもいつの間にかバッハの世界に浸りこんでいるのでありました。

３番は、弦楽器のみで演奏される曲。好きなんですね、この曲。第１楽章は、弦楽器がずんずんと進んでいきます。そしてリズムをきっちり刻んでいます。この楽章は、もう40年も前から大好きなんです。短い第２楽章から第３楽章。ゆったりとした中で、古楽器ではないモダン楽器の暖かみをかんじます。モダン楽器はいいですねえ、と思ってしまう。５番。第１楽章のフルートに柔らかく暖かい弦がらみながらのゆったりとした流れに。この曲の良さを実感します。第２楽章、フルート、ヴァイオリン、チェンバロのトリオフルートの寂寥感に暖かいヴァイオリンがなかなかいいです。そして、第３楽章フーガです。非常に明快な展開が聴いていて実に心地よいですねえ。

この演奏を聴く前に、古楽器による演奏を聴いていたこともあって、モダン楽器のよさを満喫させてくれる、そんな演奏であります。
（LONDON KICC 9253 1996年 LONDON SUPER COLLECTIONⅡ）