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ヴァントの『ロマンティック』

2022年08月07日 23時47分00秒 | ブルックナー
先週、人間ドックに行って来ました。まだ詳細はわかりませんが、このところ赤血球が少なく、いわゆる貧血気味とか。ランニングをしている人は、鉄分不足になってこのようになるケーズが多いので、サプリで鉄分を補えばいい、と言われました。早速、amazonで「ヘム鉄」なるものを購入。一日黒いカプセルを2粒飲んでます。そう言えば、めまいやたちくらみがあったかなあ。これで少しは体がシャキッとするかな、と妙な期待をしたのでありました。

最近、ヘンデルやテレマンを聴き、その傾向はバロック音楽に重点を起き、ついにはモンテヴェルディまで行き着きました。モンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』やマドリガーレなどを聴いていました、そんな中、久々に聴いたのがブルックナー。同じ音楽でも随分と違うものですねえ、なんだか懐かしく。やはりブルックナーはいいなあ、としみじみ思ったのでありました。モンテヴェルディがよくない、わけではありませんが…。

それで、ブルックナーですが、ギュンター・ヴァントの演奏。もうヴァントが亡くなって約20年。急速に過去のものになりつつありますかねえ。それでも、彼のブルックナーはやはりいいですよね。歳晩年のBPOとの録音も素晴らしい演奏ですが、私的には、NDRとの録音に惹かれるのであります。初めて聴いたリューベック大聖堂での9番、そして8番の印象が強いし、その後録音された5盤、そして4番などのNDRとの演奏は、今でも大好きであります。

と言うことで、今回はヴァント指揮NDRによるブルックナーの交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』であります。ヴァントのブルックナーは、多くの録音が残されています。この4番においても、①1976年ケルン放響、②1982年N響、③1990年NDR、⑤1996年NDR,⑥1998年BPO,⑦2001年MPO,⑧2001年NDR、とまあ8種類もあるんですねえ。うーん、因みに朝比奈さんは、4番は10種類。これにはかないませんが…。今回の演奏は③であります。

ヴァントのブルックナーで圧倒的の世評の高いのは、BPOとのライブ録音。4・5・7・8・9番があります。とある評論家は、この録音をする頃、ヴァントは「晩成ぶりの凄さに息をのむばかりだ」と歳晩年に至って急成長を遂げた言うのです。たしかに、BPOとの一連の録音はどれも最高の評価でありました。何をもってこういうのかはともかく、専門的な評価はわからないにしても、私的には、これ以前も立派ですし、決して劣らない演奏だと思っています。確かに、⑥は高評価なのもわかりますが、③も私は大好きですし、惹かれるところも多いのでありました。

それはまずはBPOとNDRの違いですね。確かに総合的にはBPOが上。でも、聴いていて心地いいのはNDRの方ですし、BPOの演奏はどうもよそよそしさを感じます。そして妙にまとまっている。オケの音も美しいしスキのない演奏です。これに対して、③には、緊張感や勢いなど、そして気持ちの強さなど、⑥では感じないものがあり、私は好きです。

第1楽章、NDRの演奏は、実に力強い。そして細部に至るまで明瞭で、ヴァントの意図に忠実な演奏を展開。みなぎる力強さは、決して粗野にはならず、豪快な響きを聞かせてくれます。第2楽章、このヴァントの演奏、至極透明感にあふれ、気持ちも張り詰め、冗長さなどまったく感じさせない。それは第三楽章でも同様。そして豪快なスケルツォ。細部まで見通しがよく、ヴァントの元気さもよく現れています。NDRも第1楽章の多少の危うさは、ほとんど聴かれず、ヴァントの厳しい妥協のなさが現れています。そして第4楽章。冒頭から力一杯の剛毅さに満ちています。NDRもピッチをあげて全力投球。このオケの緻密さと渋く硬い響きが実にいいですねえ。加えて、ヴァントの思い入れや気持ちの入った演奏にも、ほとんど脱帽であります。

なんだかんだと言っても、もう8月7日立秋であります。まだ、これから一ヶ月は残暑お見舞い申し上げます、ですねえ。豪雨災害や猛暑、そして台湾たいへん、わからない統一教会、コロナ第7波、いろんなことがまだまだありますねえ。なんだかたいへんです。
(RCA 60784-2-RC 1991 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (popotoku)
2022-08-11 18:12:53
1970年代末にヴァント&ケルン放送のブルックナー5番の輸入盤を見つけて買いました。(ハルモニアムンディの輸入盤は少し安価だった。) 友人と「知らない指揮者だね。金管が派手だけど颯爽としていて割と良い演奏だな。」などと語り合った記憶があります。
その後、80年代になると宇野氏あたりが評価しだしました。でも、ヴァントの根本はケルン時代から変わっていないように思います。
Unknown (mikotomochi58)
2022-08-13 08:15:09
popotoku 様、コメントありがとうございます。ハルモニアムンディのヴァント盤は、懐かしいですね.宇野氏は、あの講談社現代新書の交響曲の名曲名盤の著作で、ブルックナーの交響曲第6番の名盤として、「むしろ、ヴァントがいい」と言われていますがそれほど評価しているとは思えないようでしたね。また、ご教示ください。

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