こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

100回目のブラームス

2024年07月07日 23時57分00秒 | ブラームス
コロナのことを聞かなくなって久しいのですが、感染者はそれなりにいるらしいですねえ。症状などについても、重症化する云々も、あまりわかりません。普通の風邪のようなもんでしょうかね。それに対して、まだずっとマスクされたいる人もけっこういてますね。この暑さの中、マスクは大変だろうと思うのですが、電車など多くの人で密になるところではまだしも、戸外で散歩されている人もマスクの人も…。日本人ってマスク好きなんですね。私は嫌いですが…。

それはさておき、今回はブラームスです。これで、ブラームスは100件となりました。モーツァルト、ベートーヴェンに続いて三人目であります。いやー、けっこうブラームスは聞いているんですね。まあ曲の数も、いろんな分野にいろんな曲があり、好きなんでしょうね。ただ、暑いときなんかは、あまり聴きたくないな、と思うのであります。ブラームスのどんな曲をどれだけ聴いているのか、少し調べてみました(笑)。結果は最後に、ということで…。

今回は、交響曲第3番ヘ長調作品50であります。演奏は、イシュトヴァン・ケルテス指揮VPO。1973年2月、ウィーンのゾフィエンザールでの録音になります。ケルテスの演奏については、これまで何回か取り上げたことがあります。1973年4月16日に演奏旅行中のイスラエルのテルアヴィヴで水泳中に高波に襲われて、43才で不慮の死を遂げられたのは、これからの活躍が期待されていただけに、たいそう残念なことでありました。もうあれから半世紀が経つんですねえ。

そのケルテスが逝去される直前にVPOと録音されたのが、ブラームスの交響曲。1972年11月に第4番、1973年2,3月に第1番と第3番が録音されました。そして第2番は録音できませんでした。現在全集として発売されているものには、1964年に録音された2番が収められています。加えてハイドン変奏曲も第8変奏までは録音されており、残る終曲だけは指揮者なしで録音され、ケルテスに捧げられたことは、よく知られたことであります。

と、いうことでケルテスの逝去の直前に録音された、いわば白鳥の歌のようなブラームスであります。そうは言っても、この録音のときには、直前に迫っていた死が意識されていたはずはないでしょうから、このような事情を意識する必要はないのでしょうか。しかしながら、このブラームスは、とてもいい演奏であります。まずは、VPOが非常に美しく、流麗な響き。こんなそれぞれの楽器がいい音で演奏している例はそれほどないでしょう。それくらいの演奏をケルテスはVPOから引き出しているのですね。ケルテスとVPOって相性もたいそうよかったんでしょうね。そして、ケルテスは力みもなく自然体。VPOの美音を駆使して、流れるように演奏しています。楽譜どおりに演奏すればいいのよ、って感じ。それでいて、まあこれだけの説得力ある、心地よい演奏になっているのは、ほんとうにびっくりであります。

第1楽章。少しゆったりめで非常に奥行きの深い演奏。VPOの演奏は美しいなあ、と思いながらどんどん演奏に引き込まれていく。第2楽章、木管や弦がとてもゆったりと構えて、しっとりとした表情で、これ以上は無理だろうと思えるくらいの優しく美しいアンダンテであります。最後も消え入るような美しさ。第3楽章、有名な主題がいろんな楽器で再現される。それぞれが異なる表情でとても聴き入ってしまいます。それぞれの楽器の美しさに加えて、弦がいいですねえ。彼岸の美しさが心に染み込んでくるのでありました。そして第四楽章。情熱的な終楽章、ケルテスも最後の力を振り絞るが、決して荒々しくならず、VPOの美音で実に説得力のある演奏が展開され、最後までぶれることのないVPOに脱帽でありました。

さて、100件のブラームスの内訳ですが、やはり4曲の交響曲が66%を占め、1番(19),2番(16),3番(13),4番(18)となりました。他は、協奏曲が17で残りは室内楽曲でした。まあこんなもんでしょうかね。4曲の交響曲は偉大でありました。
(LONDON KICC-9268 1996年)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『亡き子をしのぶ歌』 | トップ | チェリビダッケのブルックナ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (パパソナス)
2024-07-09 22:14:18
お久しぶりです。また、お世話になります。今回はケルテスですか。ブラームスも良い演奏ですね。私もこの曲は大好きです。しかし、ケルテス、惜しい方ですね。たらねばはありませんが、もし長生きしてくれれば、色んな演奏を聴きたかったですね。古典からロマン、そして近代やお国物。重ね重ね、残年です。
それから、マスクの話。付けている人は随分減りましたが、相変らず多いですね。私は通院以外、1年以上付けていませんが何で付ける必要があるのか不思議です。犬の散歩、車の運転、散歩、自転車運転等々。熱中症が叫ばれる昨今、汗をふきふきのマスク着用。大嫌いな黒いマスク姿は、暑苦しくて観ていられません。日本人はなんとマスク好きなのでしょう。合理性のない行動をとる人種なのでしょう。いつになったら普通の日常に戻るのでしょうか?
返信する
コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2024-07-12 23:22:42
パパソナス 様、コメント感謝です。本当にケルテス、将来を嘱望されていたのに、残念でしたねえ。天寿を全うしていたら、世界の指揮者地図も大きく変わったことでしょうね。実に残念でありますねえ。また、マスクについては、そうですよねえ。この暑さで着用はたいへんでしょうね。コロナ前でも、けっこうマスク着用者はそれなりにおられましたからねえ。国民の特徴のひとつになりそうですね(笑)。また、ご教示ください。
返信する

コメントを投稿

ブラームス」カテゴリの最新記事