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スクロヴァチェフスキ、ロンドンでのブルックナー

2023年06月18日 23時59分00秒 | ブルックナー
先日、NHKの映像の世紀でビートルズの特集の前編を放送していました。その中で、1966年8月のサンフランシスコでのコンサートをもってコンサート活動をやめたことについて、ビートルズの言動などへの批判が高まり、コンサートを行うことが困難になってきたことなどが述べられていました。これまで漠然と、音楽的にコンサートでは限界があったからとか、4人が一緒に行動することが困難になってきたとか、そんなことが理由と思っていたので、妙に納得しました。そうだったんか、と思って勉強になった次第でありました。

まあ、それはそれとして、今回はブルックナーの交響曲第7番ホ長調です。この曲は、久しぶりですねえ。今回は、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮ロンドンPOによる、2012年10月24日ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライブ録音であります。スクロヴァチェフスキは、2017年2月に93才で逝去されました、ついこの前、という感覚ですが、もう5年以上になるんですねえ。

スクロヴァチェフスキは、晩年に日本によく来られ、N響や読日響などと多くのライブ録音を残してくれました。一方で、ロンドンPOにも、この7番の他、2014年3月の3番、2015年10月の5番のライブ録音もあります。最晩年のこれらの録音は、少し前の読日響とのライブ録音とともに、非常にありがたいもので、ザール・ブリュッケン放響との全集よりも、これらのライブ録音を聴いてしましますねえ。

そして、この7番の録音は、①ザール・ブリュッケン放響1991年、②N響1999年、③読日響2005年、④読日響2010年、⑤ロンドンPO2012年の5種類があります。まあ、同じ曲の演奏が5種類も録音で聴けるというのは、それだけこの人の演奏の需要があったことですね。それも日本での需要が大きいということは、スクロヴァチェフスキの晩年における日本での人気ぶりを示していますねえ。ヴァント、朝比奈さんなど、日本でのブルックナーのスペシャリストはおられましたが。それに匹敵する指揮者でありました。

さて、この演奏ですが、ゆったりとしたテンポで、実に優しい表情で歌い上げるのであります。迫力とは凄味などは一切感じさせず、ロンドンPOはこれに応じて、弦も木管、金管も尖った表現とか、迫力ある音色や、などとはまったく無縁です、一音一音を噛み締めるように、優しく柔らかいブルックナーであります。力強さやスケールの大きさを感じることもなく、息の長い演奏がとても心に染み込んできます。こんな演奏、私は大好きです。

第1楽章、冒頭からチェロの美しい響き。ゆったりと優しさをいっぱい感じる。弦の響きが実にまろやか。テンポも一定で、ゆったりとした気持ちでこの楽章の美しさを満喫できますね。第2楽章、スクロヴァチェフスキのアダージョ楽章、5番、8番とともにこの7番も素晴らしい。ゆったりと息の長い演奏で、悠久の美を感じます。消え入るような長いフレーズや長くいつまでも続くようなメロディなどは、とてもいいです。第3楽章、中間部のおちついた風情は、第2楽章に引き続き落ち着いた気持ちになります。両端もロンドンPOのよさが実感できますね。そして第4楽章。ここでも力業を感じることはなく、透き通るようなオケの音色、荒々しさなどもなく、ブルックナーの美しさに終始させてもらえるのでありました。

本日でマリーンズ、交流戦終了。今日勝てば五割だったんですが、佐々木朗希で負け。借金2でした。なんだか負け越しが多かった交流戦でした。やはり、打てる大砲が欲しいですねえ。
(LPO LPO0071 2013年 輸入盤)

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