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尾髙忠明さんのブルックナーを聴く

2024年04月28日 23時56分00秒 | ブルックナー
先日、明日香村に行ってきました。まあ、何十年ぶりでした。学生のころは、もう嫌になるほど行ってたのに…。いろいろと見て回ったのですが、そのころとは、やはり大分雰囲気が変わりましたかねえ。当時にはにはなかったものもあったりで。高松塚古墳やキトラ古墳は整備され、立派な資料館もできてびっくりしました。一方、板蓋宮跡と言われていた飛鳥宮跡は、雑草が生えて、なんだか全体に「老朽化」が進んだような…。さすがに、外人さんは一人も見ませんでした(笑)。

それで、これまた先日、昨日になりますが、いつもの西宮芸文センターで、尾高忠明指揮大阪フィルのコンサートに行って来ました。題して「未完の交響曲」。シューベルトの交響曲第8番ロ短調「未完成」とブルックナーの交響曲第9盤ニ短調のふたつの未完成の交響曲でした。この組合せは、2000年のギュンター・ヴァントの最後の来日公演を思い出しますね。その演奏会に行ったわけではまったくないのですが…。それはそれで、残念でしたねえ。

尾高さんは、大阪フィルの音楽監督。言わば手兵のこのオケで、ブルックナー、ということで、聴いてみたいな、と思って出かけていきました。このオケでブルックナーと言えば、朝比奈さんを思い出さないわけには行きません。といっても、朝比奈さんが逝去されて、もう四半世紀近くになるので、もうそのことをいつまでも引きずることもないだろうとは、思うのですがね。大阪フィルと朝比奈さんの演奏を幾度か、聴いたことあります。また十年ほど前になりますが、大植英次さんの指揮で、マーラーの3番をここ芸文で聴いたことがあります。そのときの大阪フィルは、実にスマートになったなあ、と思った記憶があります。その後、朝比奈さんのCDをよく聴くようになりましたが、実演とCDでは受ける印象がかなり違うな、と思いました。朝比奈さんから、大植さん、井上道義さん、そして尾高さんと変遷したこのオケ。そして、尾高さんも、ブルックナーは得意とされCDも録音されているので、ぜひ一度聴いてみたいのでした。

尾高さんの指揮も初めて見ますが、70才代ということもあってか、動きが少ない。場面によってはほとんど動きがないようなところも散見できる。そして、鋭角的な動作が多いからかして、手刀とも表現されているのを聞きます。それでいて、そこから醸し出させる音楽も非常に規律正しく、安定感に満ちあふれています。そして、比較的ゆったりとしたテンポで、すべてを容認するかのようなあたたみも感じますねえ。また、ブルックナーでは、ゼネラルパウゼも印象深かったですね。

そして大阪フィル、弦楽器が非常にまとまって美しい音色。ただ、もう少しの重厚さがあれば、とも思いました。でも、木管もよく歌い、金管も健闘されておりました。主部における爆音の大迫力は、朝比奈さんの時代からの伝統とも評されますが、このふたつの交響曲でも随所にその遺伝子を感じられるかもしれませんが、それは単に郷愁に似たものであり、それほどのものは、私は感じませんでした。まあ、実際に生での演奏は数えるほどしかきいたことないですからねえ。                                    

最初のシューベルト、これもよかった。もはやベートーヴェンの古典派ではなく、さまざまな感情が吐露されるロマン派の交響曲。第1楽章は旋律の美しさが印象に残りました。そして第2楽章、穏やかに始まるが、どうしてどうして。この楽章、シューベルトの感情がほとばしる。実にダイナミックに表現されてましたねえ。この曲にしては編成は大きいのかなあ。未完成交響曲のよさを再認識できました。

そしてブルックナー。この曲は難しいですねえ。第3楽章が終わって、CDで聴く以上に、なんだかもやもや感が残りました。第1楽章は、これまで数え切れないほど聴いてきたが、非常に新鮮感があった。最後は終わったときの残念感が半端ではなった。それくらい没頭できた。第2楽章、豪快、豪放、爆発。中間部は心に染み込んだ。そして第3楽章。音の明るさが気になったが、それでもこの楽章の重みはどんどん積み上げられて、心地よい苦しさが充満してきましたが、最後のコーダの明るさで救われた気持ちになりました。でも、なんだかすっきりとはいかないのが、この曲のよさでもあるんでしょうねえ、  

尾高さんと大阪フィル、今年から来年にかけて、ブルックナーを演奏されます。来年の2月には、大阪のフェスの定演で第4番を演奏されます。これも出来たら聴きたいな、とおもったのでありました。また、CDでもじっくり聴いてみたいですねえ。

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