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モーツァルト、最上のメヌエット

2011年06月03日 23時22分23秒 | モーツァルト
「なんとかならんかね」「民主党ですか?」、というやりとりがスリムクラブの漫才でありました。震災からの復興施策についての菅内閣への不満が渦巻く中、今回の内閣不信任案騒動。「この人たちの行動には、ただあきれるほかない」「政治判断において時と場所をわきまえる良識のかけらもない」。今回の騒動に対する新聞の論調であります。被災地の復興・復旧のことを第一に考えているとは、到底思えない政治家の行動であります。被災地を政争の具に使っているとしか思えません。こんなときこそ、与党も野党も一致協力していかなければならないのに、本当に困ったことですねえ。ほんとうになんとかなりませんかねえ。

困った中、今回はモーツァルト。このブログで取り上げたモーツァルトも70件を超えました。7回に一回はモーツァルトという計算になりますかね。なんと言っても、一番よく聴く作曲家なんでしょうねえ。それで今回は、交響曲第34番ハ長調K.338であります。1779年にパリからザルツブルクに戻ったモーツァルトは、翌年までに3曲の交響曲(K.318,319,338)を書き上げています。この中の一曲がこの34番。これらザルツブルクでの最後の交響曲となります。そして、もともとこの曲は三楽章からなるものでしたが、その後転住したウィーンで再演するときに、K.409のハ長調のメヌエットを作曲して、四楽章にしたと言われています。カール・ベームとBPOとの交響曲全集では、このメヌエットを入れて四楽章形式にしていますが、多くの演奏は、原型のままの三楽章で行われる場合は多いようです。しかし、このK.409のメヌエット、数あるモーツァルトのメヌエットの中でもかなりの優れものであります。メヌエット大好きの私と致しましては、この曲は34番の中に入れて演奏してもらいたいと思うことしきりであります。

そんなわけで、このメヌエットが入っている演奏として、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるものであります。1987年4月ロンドンでの録音。ガーディナーのモーツァルトの交響曲、果たして全集になったんでしょうか。生誕200年のころはよく見ましたが、最近ではあまり見ませんね。BOXものとしてまとめて発売してもらえればいいな、って思います。激安ならなおいいでしょう。

ガーディナーの演奏、いわずとしれたピリオド楽器によるものです。アーノンクールほどのデフォルメはなく、ブリュッヘンのような乾燥した軽さもなく、というのでしょうか。スケールは大きく、ピリオド楽器にしては重厚な響きが聴けます。モダン楽器とピリオド楽器のいいところを大事にしている、そんな音つくりです。モーツァルトの35番以降の交響曲は、あまりピリオド楽器のものは好ましく思ってはいないのですが、それよりも前のものは、かなりいいなってとこでしょうか。ガーディナーの演奏、ティンパニと金管の強調がまず耳をひくが、これが弦の響きとうまくマッチしている。曲つくりは極めて品があり、それに熱気が加わる。若き日のモーツァルトの音楽は、かくあるべきという気持ちも伝わってくる。第1楽章、たいそう堂々とした開始。ティンパニに負けない弦の力強さがいいです。その音色には爽快な気持ちが現れてくる。第2楽章、一転して弦の響きが美しい。モーツァルトの優しい旋律がそんな弦によって浮かび上がってくる。そして第3楽章、いやいや見事はメヌエットです。友人はこれがモーツァルトのメヌエットのベストであると断言されていました。ほんとに魅力的なメヌエットです。中間部の木管も美しい響きを聴かせてくれます。第4楽章、各楽器が鋭い音色で、躍動感あふれる演奏が展開される。ここに至るまでのこのガーディナーの覇気にあふれる演奏の素晴らしさを実感させてくれます。若いころもモーツァルトの作品には、迷いがなく自信に満ちあふれたところが聴かれ、それが心地よいのですが、それがうまく伝わってくる演奏であります

このCDは、第31番が併せて収められています。これにも第2楽章アンダンテの初演のときの版は併せて収録されています。これも興味深いものです。
(Philips 420 937-2 1988年 輸入盤)

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