漫画屋の離れ

本ブログ「漫画屋日記」の離れブログです。構想中の作品メモに利用。

自分の宣伝を書くのに1年4ヶ月を要す。

2006-11-19 23:03:28 | 漫画屋としての一人言
ブログのトップに現在の仕事を掲載しました。自分の仕事(漫画)が、どこに描かれ、いつ掲載されるのか。そういう宣伝を書くのに1年4ヶ月を要しました。

自己宣伝を書くということは、「読んでくれ!」と言っているワケで、自分自身の描くものに価値があるから、よかったら見てくれ、いやぜひ見てくれ。という肯定的な気持ちがあると言うことです。いままではそれがなく、たまたま目にしてくれて読んで楽しんでもらえたらラッキーだな、というくらいのスタンスだったのです。


宣伝を書く気にならなくなった出来事(書く価値を感じなくなった出来事)は、僕にとって漫画家としての最期の大勝負と思って取り組んだ仕事(企画)を達成できなかったことに始まります。

自分の作家としての商品価値、賞味期限・・・そう言ったことを考えるにつけ、「これが最期のチャンスだ」と望んだ企画でしたがダメでした。

最期と思った大勝負に負けたのだから、負けた者なりに辞めればいい。

のですが、それも出来ずにグズグズと仕事を続けている自分が非常に面白くなく、潔くなく、気に入りません。

これまでの時期、心配して編集部を紹介すると声をかけてくれる師匠筋の先生や、編集さんの言葉に応える気にはなれませんでした。自分は賞味期限切れだ。漫画家として終わった燃えカス。他の誰でもない、自分自身が作家としての自分に商品価値を見いだせなくなっていたので、心を砕いてくれる人を裏切る結果になると思い、受けるワケには行きませんでした(今も、基本的にそうだけど。)。

自分なんかより、どうせだったら若くて活きのいい人に機会を与えてやってくれ・・・と本気で思ってました(今もか)。

ただ、人間として生きていくためにはメシを食わねばなりませんから、収入を確保しなくてはなりません。燃えカスにいまだ価値があるのか疑問を持ちながら、不思議にやってくる具体的な仕事には、燃えカスなりのこれまでの名誉と誇り?を持って全力であたってきました。

(漫画人生、負けまくってますが、勝負してきた自分には誇りがあります。勝ち負けをうやむやにせず、受止めることは大事なことだと思っています。)

最後のチャンスに破れたのに、仕事を続けていることに対する矛盾が不愉快です。しかたなく、1年くらい前から、「このままズルズルと、なんとか20年漫画家を続けられたら、一応頑張ったってカンジでいいよなあ。」

と、消極的に思い始めて、それが現在の目標です。一応2016年の4月くらいまで漫画家を続ければ、20年達成ですので46才の誕生日まで保てばいいか、と思っています。


なぜ、今こうして自己宣伝を書く気になったのか(無粋な欲はあるから、ブログを通じての間接的な宣伝は続けてきたが)、具体的には自分でもよくわかりませんが、久しぶりに見えなかったモノが見えてきた気がするのです。つまりは、漫画家としての自分の活かし方です。

あってるのか、間違っているのか。わかりませんがこの感覚は久しぶりなのです。終わった自分をくつがえせるか、自分自身に対する勝負です。


と、言っても何か大勝負をしかけようというワケではありません。そんな気力はとてもないし。ただ、自分にとっては明らかな変化なので一応、書き留めておく次第です。

まあ、もう少し頑張ってみますか。

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