ココロを許したというより、世渡り上手なのか・・・
ホームレス君は少ーしずつ家に入り始めました。
最初は片足だけ(窓辺に置いたいりこを「ぱしっ」と引っ掛けて退却する)
次は両前足(窓辺に置いたちくわを「ぱしっ」と両手ではさんで退却する)
その次は上半身(家の中に置いたエサ皿に首を突っ込む。食べ終わったらもちろん退却)
そのうち窓を開けておくとおずおずと入ってくるように・・・「ご飯ちょーだーい・・・」
さらには食事後退却せずにくつろいで帰るように・・・・
徐々に滞在時間を延ばす作戦です。(作戦というほどでは・・・)
しかしこの作戦も頭打ちになりました。
ある程度の滞在時間まで来ると、外に出たがります。
寝るときは、相変わらず庭のハウスでした。
そして一番肝心なトイレももちろん外、というより「どこか知らない所で」。
せめてトイレは・・・・と思い、ハウスの傍に猫砂を敷いた箱も用意しました。
・・・・使ってくれない(泣)。
ああ・・・いつもどこをトイレに使ってるんだろう・・・・。
家に閉じ込めたら使ってくれるんだろうか・・・
でも、出してほしい時の鳴き叫び方は尋常ではないし。
まだ無理強いはできない。
ああ、近所からトイレの苦情が来たらどうしよう。
と、まあ人間が勝手にあれやこれや考え込んでいたある日、
ホームレス君は丸一日姿を見せませんでした。
その次の日も、そのまた次の日も、そしてその次も・・・・
「消えた・・・・」
全然懐いてもいない、触らせてもくれない猫でした。
それが、居なくなるとこんなに寂しいなんて・・・
遠くへ行って帰ってこれなくなった?
人間に捕まって捨てられた?(首輪してないし・・・)
誰かいいヒトの飼い猫になった?(なら良いけど・・・)
それとも縄張りを変えたの?
そもそも、生きているのか・・・?
考えて分かるものでもなく、彼は本当に全く姿を見せなくなりました。
また猫のいない生活に戻りました。
それでもエサ皿は捨てられなかったけど・・・
・・・・2ヶ月経過・・・・
その日は、母が旅行中で、私と父が二人で留守番をしていました。
明け方、起きる時間のまだまだずっと前、夢の中で猫の鳴き声を聞いたような気がしました。
猫が鳴いてる・・・・鳴いてる・・・・鳴いて・・・・
「ほんまに鳴いとる!!!(起床!!!!)」
飛び起きて居間のカーテンを開けると、そこにホームレス君が待っていた。
「ご飯ちょーだーい・・・」
ありがとう、ありがとう、帰ってきてくれてありがとう。
2か月もウチを忘れないでくれてありがとう。
残っていたキャットフード(これも捨てられなかった)をたっぷりやると、
がつがつ食べ始め、そしていつものように縁台で眠り始めました。
その日は後ろ髪引かれる思いで会社へ・・・・
本当ならこのまま家に閉じ込めてしまいたい。
またどっか行っちゃうんじゃないか・・・・(渦巻く不安・・・・)
心配で心配で、ぶっ飛んで家に帰ると、ちゃんと待っててくれたホームレス君。
ありがとう、ありがとう。
どこで何があったのか知る由もないけど、
白い毛が茶色に煤けてるけど、すごい埃っぽいけど、
怪我もしてないし、とりあえず、良かった。
また、よろしくね。
でもさ、せっかく帰ってきたんだから、
ちょっとくらい触らせてくれたっていいじゃん・・・・(T▽T)ウウウ
これで、彼は正式な飼い猫になったのか・・・・
いえ、実はまだ続くのでした・・・・(長い・・・)