光文社文庫
2020年2月 初版1刷発行
解説・東えりか
335頁
弥勒シリーズ第8弾
小間物問屋〈遠野屋〉の元番頭が亡くなります
その死を悼む清之介は、火事で焼けた仕舞屋で見つかった若い女が殺されていたと知らされます
亡くなった女の元にあった帯と同じ織の鶯色の帯が元番頭の遺品から見つかり事件は大きく展開します
本書では同心・小暮信次郎から手札をもらっている岡っ引き・伊佐治の内面についてこれまでより多くの頁がさかれています
小料理屋「梅屋」のあるじながら、店を女房・おふじと息子・太助、太助の嫁・おけいに任せ、信次郎の小者として働く時間がほとんどの伊佐治
信次郎の下で働く限り、人が隠し持つ闇を知ることができる、人という生き物の深さにふれることができるのが面白い、と言います
信次郎に魅せられているようで少々不気味でもありますね
今回は信次郎vs清之介はとりあえず脇に置いておいて、仕舞屋の殺人事件についての探索を主に描きます
しかし、これまでと同様、2人の奇妙な心の交流も描かれており、次作以降、互いが抱える闇をどうやって引きずり出し対峙するのか、益々楽しみです
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