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映画・アルバート氏の人生

2013年01月24日 | 映画(海外)

 

2011年 アイルランド

原題 Albert Nobbs

 

 

19世紀、アイルランド・ダブリン

モリソンズホテルでウェイターとして働くアルバート(グレン・クローズ)

働きぶりは実に真面目で気が利き、女主人(ポーリーン・コリンズ)や常連客からの信頼も厚い

同僚のお酒の誘いにも乗らずひっそりとホテルの自室で暮らすアルバート

客からもらったチップを全て床下に隠しており、その額はかなりのものになっている

実は彼は、たった一人で生活する為に男性として生きてきた女性で、貯まったお金で店を持とうと考えていたのだった

ある日、長身でハンサムなペンキ屋のヒューバート(ジャネット・マクティア)を部屋に泊めるよう主人から言われるのだが、自分が女性であることががバレてしまうのではないかと気が気ではない

秘密を隠そうと十分に注意していたのだが、胸元に蚤が入り込み下着を外しているところをヒューバートに見られてしまう

女であることがバレてしまうと職も住まいも失ってしまうと考えたアルバートは、このことを誰にも言わないで欲しいと必死に懇願する

アルバートを見つめるヒューバートの困惑したような醒めたような表情

秘密を守ることを約束してくれたのだが、それには深い深い事情があった

 

 

生まれながらのバイセクシュアルではないアルバートがなぜ男性として生きる道を選んだのか

その理由は映画の中でサラリと語られます

私生児として生まれ、本名もわからず、アイデンティティも持たず、女性であった自分を捨てて生きてきたアルバートはヒューバートに出会ったことから、少しずつ生き方を変えていこうとします

「自分は自分」

同じホテルで働くメイドのヘレン(ミア・ワシコウスカ)と一緒に暮らしながら店をやりたいと思うアルバートは自分のアイデンティティを築き始めるのだった

 

 

アルバート氏の人生の終幕は悲しいものでしたが、ヒューバートとヘレンの二人がアルバート氏の思いを引き継いでいくであろうラストには希望の光がみえました

アルバート氏が最期に見せた幸福に満ちた微笑みは本物だったのでしょうね

 

当時のアイルランドの国情や国民性なども描かれていて勉強にもなりましたし

哀しいストーリーなのですが、コミカルな部分もあって、想像していたほど暗くなく、むしろ自分も自分らしく生きたらいいのだ、とそっと背中を押されたような温かな思いの残る映画でした

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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こんにちは (オリーブリー)
2013-01-26 17:10:47
>むしろ自分も自分らしく生きたらいいのだ、とそっと背中を押されたような

本当に仰る通りです。
人生を描く映画は、どこかに自分を映し出すこともできるので、例えハッピーエンドでなくても頑張ろうとする思いは芽生えてくるものですね。

こにさんも愛知県ですか?
私もです。
では、こちらは名演でご覧になったのかしら?
また宜しくお願いします。
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オリーブリーさん (こに)
2013-01-27 16:40:46
名演小劇場です!
この後、「拝啓愛しています」を続けて観たかったのですが体調不良で諦めました。
これだけでも頑張って観て良かったです。
名演さんにはこういった秀作の上映を続けてもらいたいですね。
他に足を運ぶのは伏見ミリオンとセンチュリーが多いです。
こちらこそ、宜しくお願いします。
<m(__)m>
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