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映画・しわ

2013年06月29日 | 映画(海外)

 

原題 Arrugas

2011年 スペイン

 

アニメーション映画です

 

かつて銀行で支店長を勤めていたエミリオは引退後アルツハイマーの症状が見られるようになり、息子夫婦の手で養護老人施設に預けられることになった

ルームメイトのミゲルはアルゼンチンからの移民で家族も親戚もいないため自ら施設に入ったという

陽気な性格で、まだまだ元気だが、お金に汚く抜け目が無い様子

他にも、孫の為にバターやジャム、紅茶を集めているアントニア

身の回りのことが何も出来ないモデスト

モデストの世話の為に入所している妻のドローレス

元ラジオのDJで今はオウム返しの言葉しか話せないラモン

家族に電話をかけようと施設の中を歩き回るソル

火星人が襲ってくるという妄想に取りつかれているカルミーニャ

イスタンブール行の特急に乗っているという妄想の中で生きているロサリオ

犬好きでミゲルから内緒で入手した犬をこっそり飼っているマルティン

などなど

施設には様々な思い出を持つ老人たちが日々暮らしている

ソルやロサリオから小銭を巻き上げるミゲルはエミリオに「彼女たちの助けになっている」と嘯く

 

エミリオが夜寝る前にベッド脇に置いた財布が朝になると無くなっており、また後日には腕時計も無くなる

エミリオがミゲルを犯人扱いしたことで喧嘩になる二人

お金に汚い印象のミゲルですが、いくらなんでも同室のエミリオの物を盗むとは思えません

想像した通り、財布も腕時計もちゃんとあるのがわかるのはラスト近く

病状が進行したエミリオは、自分が隠したこともわからなくなっていたのです

男泣きに泣くミゲルの姿にはぐっと来るものがありました

 

施設の中でしたたかに生きてきたミゲルですが

エミリオの為に、ソルたちから小金をまきあげては溜め込んでいたお金を叩いて一大決心をします

ところが、その謀は大失敗に終わり、エミリオの症状はさらに悪化してしまいます

その後、エミリオが隠した財布や時計を見つけたミゲルは人が変わったようにソルやカルミーニャ、ロサリオらに優しく接するようになり彼女たちが「思い込み」「妄想」に上手く対処できるよう手助けをするようになります

そして、ついには介護が必要になったエミリオの世話を買って出るのでした

 

 

老後というとても重いテーマを扱っていますが、老後の侘しさとか悲しみというより老人を一人の人間として最期まできちんと尊重すべきだという思いが残る映画でした

セルアニメの素朴さが映画の優しさ、温かさによく合っていたと思います

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (ぷらずりん)
2013-06-30 14:07:34
お久しぶりです。ダルデンヌ兄弟は全般的に好きですが、この作品は、里親の女性の存在が救いになっていて、いいですね。しかし、近所にあんなガキがいたら、張り飛ばしそうな気もしますが(笑)「しわ」は見たいのですが、いつDVDになるのでしょうか?←相変わらず劇場に見に行く気はないらしい。
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ぷらずりんさん (こに)
2013-07-02 08:27:12
いわゆる問題児ですからねぇ。(^_^;)
ラストまでしっかり描かれていたのが良かったです。

「しわ」は上映館は少ないし、ジブリの森美術館ライブラリーなので、DVDは割と早く出るのではないかと思っていますがどうかな。
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