作者、ラファエル・サンチェス・フェルロシオの処女作
本国スペインで発表されたのは1951年
信じられないことに日本語訳が出るまで58年もの歳月が過ぎています
このような本を出し続けている未知谷に感謝
さほど分厚くないし挿絵も多いのですぐ読めるかと思ったのですが…
小難しい内容ではないのです
素晴しい色彩感覚
町や自然の擬人化
一行、一文、一章、繰り返し読んでイメージを膨らませないと物語りに入り込めないんです
おかしなアルファベットを書いて学校を辞めさせられた少年が剥製をつくる親方のところに弟子入りします
そこで彼はアルファンウイという名前をもらいます
17頁の後ろから2行目
家にはまた、小間使いが一人住んでいた
黒っぽい服を着て名前がなかった
なぜなら、耳も口も利けなかったから
木の四つ輪のついた板に乗って動き、剥製にされていたが時々微笑んだ
これより前に出てくる夕焼けの色の描写でグッと捕まえられて、この小間使いの紹介文で、これは甘く見てはいけない物語だと気を引き締めました
剥製師の免許をもらったアルファンウイは親方が亡くなったのをきっかけにスペイン各地を訪ねる旅に出ます
行く先々で奇妙な出来事に出会いながら自分だけのための現実を作り上げていくファンタスティックな物語
スズキコージさんの挿絵も素敵
アルファンウイの世界へ誘ってくれます
本国スペインで発表されたのは1951年
信じられないことに日本語訳が出るまで58年もの歳月が過ぎています
このような本を出し続けている未知谷に感謝
さほど分厚くないし挿絵も多いのですぐ読めるかと思ったのですが…
小難しい内容ではないのです
素晴しい色彩感覚
町や自然の擬人化
一行、一文、一章、繰り返し読んでイメージを膨らませないと物語りに入り込めないんです
おかしなアルファベットを書いて学校を辞めさせられた少年が剥製をつくる親方のところに弟子入りします
そこで彼はアルファンウイという名前をもらいます
17頁の後ろから2行目
家にはまた、小間使いが一人住んでいた
黒っぽい服を着て名前がなかった
なぜなら、耳も口も利けなかったから
木の四つ輪のついた板に乗って動き、剥製にされていたが時々微笑んだ
これより前に出てくる夕焼けの色の描写でグッと捕まえられて、この小間使いの紹介文で、これは甘く見てはいけない物語だと気を引き締めました
剥製師の免許をもらったアルファンウイは親方が亡くなったのをきっかけにスペイン各地を訪ねる旅に出ます
行く先々で奇妙な出来事に出会いながら自分だけのための現実を作り上げていくファンタスティックな物語
スズキコージさんの挿絵も素敵
アルファンウイの世界へ誘ってくれます
実はいちど、1968年に「アルファンウイの才覚と遍歴」という訳題で、集英社の世界文学全集34に訳出されているのです。
未知谷さんから、新訳で出ていたのをきょう知ったのですが、好きな作品なのでうれしかったです。
難解な作品といわれることもあります
が、自分のほかにも良い評価をしている人もいて、わがことのようにうれしいです。
世界文学全集に収録されていたのですか。
未知谷さんが掘り起こさなければ埋もれてしまっていた作品だったのですね。
完全に理解することは到底無理ですが、次第に言葉が直接脳に伝わってくる感覚があって読み切ることが出来ました。
私も、すごく嬉しいです。^^