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映画・フルートベール駅で

2014年04月14日 | 映画(海外)

 

原題 Fruitvale Station
2013年 アメリカ

 

 

2009年ニューイヤーズ・デイ
新年を迎え歓喜に沸く人々でごった返すベイエリア高速鉄道のフルートベール駅で、22歳の黒人青年が白人の鉄道警官に銃で撃たれ死亡した
銃を持たない丸腰の青年がなぜこのような悲惨な死を迎えることになったのか
全米で抗議集会が開かれるなど大きな波紋を巻き起こした事件を基にした映画です

 

2008年・大晦日の朝から翌元旦の事件で命を落とすまで
当然ながら自分の命が終わるなどと考えもしないオスカーを、カメラは静かに追いかけます

 

2008年の大晦日
サンフランシスコのベイエリアに暮らす22歳のオスカー(マイケル・B・ジョーダン)は前科者だが心優しい青年で、ガールフレンドのソフィーナ(メロニー・ディアス)と彼女との間に生まれた4歳になるタチアナを心から愛している
遅刻が原因で勤務していたスーパーマーケットを2週間前に解雇されたのだがソフィーナには言えないまま、家賃の支払い日が近づいてくる
さらに妹からもお金を貸してほしいという電話が…
クスリの売人から足を洗いたい彼は、スーパーマーケットの店長に再雇用を頼みに行くも、「遅刻しない人間を雇ったばかりだ」とけんもほろろの扱いを受ける
仕方なく顔なじみにクスリを売ろうと考えるのだが、以前刑務所に入っていた頃の記憶が甦りなんとか踏みとどまる

大晦日は母・ワンダ(オクタヴィア・スペンサー)の誕生日
蟹とバースディカードを買って母の家に集まり親族と楽しい時間を過ごした後、オスカーはソフィーナや友人たちと電車に乗ってサンフランシスコの街中へ花火見物に出かける

その帰り道にオスカーは冒頭に書いたような事件に巻き込まれて命を落としてしまうのです

 

ガールフレンドと娘を愛し、定職に就きたかったオスカー
立派な青年とは言えないけれど、どこにでもいるような現代の若者が、なぜ警官に射殺されなければならなかったのか

 

映画冒頭にはたまたま駅ホームにいた人が携帯カメラで撮影した実際の事件の映像が流れます
衝撃的です

さらに、映画の撮影は実際に事件が起きた場所で行われました
鉄道会社や地域の人々の理解を得るのはとても大変だった、とのこと

 

人種差別から起きた事件を扱うことで世論を煽るのではなく、起きたことをありのままに伝え
映画を見た観客に、その事実を考えて欲しいというメッセージがこめられた映画なのだそうです

 

オスカー・グラントという若者が存在していて
彼が愛していた人々にとって彼の命はとても大切だったのです

 

 

オスカーの母親を演じたオクタヴィア・スペンサー
「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」のミニー役が印象的でした
彼女の存在感はとても大きかったと思います
愛した息子の亡骸を見つめる彼女の深い悲しみと、おそらく息子の死を乗り越えていくであろう強さが伝わってきました

 

 


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