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町田純「草原の祝祭 ヤンのヨールカ」

2010年07月30日 | ま行の作家
ネコのヤンシリーズ第二弾
の新版です
初版は1998年頃でしょうか


プロローグ、ある男の回想 1921年

本編
「草原のクリスマス」、1900年~1902年

エピローグ、ある男の回想 1934年




ヤンは、度々訪ねる町、サヴィンスキーに向かう列車の中で人間と哲学的な会話をします

「人間には戻る過去と現在と未来が必要だ」
「ボクたち人間以外の動物は現在の瞬間の高みだけを感じて生きていけるんです」
「すると歴史は必要ないんだね?」
「ええ別に必要ありませんね」
「過去の遺産の上に築き上げられる未来というものも訪れないことになるよ」
「そんな人間の遺産が何になるんですか?」
「もしかすると君達は何か我々には想像のつかない、とんでもなく新しいことを企てたり、考えたりしているの?」
「いいえ、価値とか遺産なんてもともとなかったんです…ただ純粋な意識の連続にすぎないのですから、このボクらの世界は」

「君たちがうらやましいよ」
「いいえ、本当はみんなおんなじなんです」
「ネコ君さようなら」
「ごきげんよう」



ロシアの美しい風景描写と
ユーモアを交えての人間諷刺
カワカマス君も少しだけ登場します


ネコのヤンシリーズ
次々読みたいのだけれど全て読み終えるのは勿体無い
そんな矛盾に苦笑いです




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