2010年 スペイン
原題 Pajaros de papel
スペイン内戦下のマドリード
喜劇役者のホルヘは貧しいながらも優しい妻と可愛い息子と3人で幸せに暮らしていた
ある日、相方のエンリケとの舞台を終え帰宅途中の彼はフランコ軍の爆撃に遭う
一晩、地下鉄の構内で過ごした後、家に戻るとそこは瓦礫の山と化していた
妻と息子を失ったホルヘは誰にも告げず姿を消す
突然愛する者を奪われた人間はどうやって生きていけるのか
一年が過ぎ、突然劇団に戻ってきたホルヘ
戦争で両親を失いエンリケに引き取られていたミルゲと共に3人で暮らすことになる
行方知れずだった一年のことを語ろうとしないホルヘ
失った息子と重なるのかミルゲにも冷たい態度をとってしまう
それでもミルゲはホルヘを慕い一生懸命芸を覚えようとする
スペイン内戦終了後、フランコ政権は反体制派に対し厳しい弾圧を行っていた
ホルヘも要注意人物としてマークされており、スパイとしてパストールが送り込まれてくる
ホルヘは行方不明だった一年の間、何処で何をしていたのか
軍の厳しい監視下で劇団員たちの思うような舞台を観客に見せることができるのか
やがてフランコ総統の前で公演を行うことになるのだが、それはホルヘを巻き込んだ陰謀だった
身の危険を察したホルヘはエンリケ、ミゲル、踊り子のメルセデスと共に劇場から逃げ出す
反体制派の神父の助けでポルトガルへ出国寸前の彼らの前に軍の人間が追ってくる
失った息子の代わりにミルゲを慈しみ共に生きていこうとしていたホルヘ
また、両親を失くした(母親は生きていたのですが)ミルゲはホルヘのことをパパと呼ぶことにした
それなのに二人を引き裂く銃弾
ミルゲの折ったペーパーバードが飛び散る
この不条理には泣けました
ブエノスアイレスに逃げ延びたミルゲは一流の喜劇役者となりフランコ体制終了後名声と共にスペインに戻ってきます
マドリードの立派な劇場でのミルゲのスピーチにまた泣けました
そしてラスト、こうなりたい、と願っていたであろう穏やかで笑顔溢れる映像に救われました
現実には、そうならなかったのですが…
サフォン「風の影」でもフランコ体制下の厳しい監視体制が描かれていたのを思い出しました
時代に翻弄されながらも逞しく強く生き抜いた人々がいたのです
まあ、映画の世界位は、やはり希望を抱かせるような、少しでもハッピーな展開がほしいものです。
ラブストーリーでもそうですが、幸福を予感させるような展開を期待したいものです。
訪問&コメントありがとうございます
この時代
暗く悲しいままで終わるような映画はキツイですよね
観たいと思う映画もハッピーな結末を迎えるようなのが多いです
私の所では今やっと見ることができました。
不勉強な私は、映画で世界の歴史を学ぶことも多くて・・・。スペイン内乱。教科書ではほんの一行でも、こうして見るとより身近にリアルに感じられます。
こういう形で、悲惨な歴史を語り継いでいくのもありですね。
関東の方々が羨ましいですよ
歴史も誰の視線で捉えるか、によって大きく変わります
とりあえず映画は貴重な参考資料になりますよね
観賞価値のある映画でしたね