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ペネロピ・フィッツジェラルド「ブックショップ」

2019年10月18日 | 海外の作家
訳・山本やよい
ハーバーコリンズ・ジャパン
2019年3月 第1刷発行
188頁


1959年、イギリスの海辺の町・ハードバラで夫のわずかな遺産で細々と暮らしているフローレンス・グリーン
彼女は何となく影が薄く人々の話題にのぼることも滅多にない地味な女性でした
しかし、最近になって、自立した存在であることを自分自身に、そしてできれば他の人々に対してもはっきり示す必要があると考えた彼女は、小屋付のこぢんまりした建物〈オールド・ハウス〉を購入してハードバラ初の書店をオープンする決心を固め、動き始めます

時代はまだ事業を始めようとする女性に冷たく、住人や町の権力者からは反対の声があがります
勿論、フローレンスの味方になってくれる人もいましたが、所詮可愛いのは自分
最後には資金繰りの問題や法律を楯にせっかくの書店を閉めざるをえなくなってしまいます

1960年の冬、書店も本も車も失ったフローレンス
一人きりで列車に乗り席に座った彼女はうなだれます
“町は結局、書店を必要としていなかったのだ…”

映画とはラストが全く違い、悲しく遣る瀬無い思いでいっぱいになりました

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