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高田郁「美雪晴れ みをつくし料理帖」

2021年05月17日 | た行の作家
みをつくし料理帖シリーズ第九弾

神帰月 ―― 味わい焼き蒲鉾
美雪晴れ ―― 立春大吉もち
華燭 ―― 宝尽くし
ひと筋の道 ―― 昔ながら
特別収録 富士日和

名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳
つる家にとって幸せの兆しでしたが、芳はなかなか承諾の返事を出来ずにいました
どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てから、と考えているようです
澪もあさひ太夫=野江の身請けについて、また料理人としての自らの行く末について懊悩する日々を送っていました

芳の迷いの原因だった佐兵衛が妻と娘を連れてつる家を訪れ再婚を心から喜んでくれます
ふっきれた芳は目出度く柳吾の元へ
柳吾は澪のことを我が娘のように思って何かと気遣ってくれるのですが、頑として我が道を行く澪
そんな澪にかける言葉はさすが名料理屋の主
今はその心願を叶えることで頭が一杯でしょうが、おそらくあなたの料理人としての人生は、それを叶えてからの方がずっと長い。どのような料理人を目指すのか。どんな料理を作ることを願うのか。よく見据えることです。今から進むべき道をよくよく考えておきなさい。嘉兵衛さんに代わり、あなたを育てたい、と思う私の気持ちに変わりはありません。そのことを胸の隅に刻んでおいてください。

柳吾の計らいでつる家の新しい料理人も決まり、吉原で鼈甲珠の商いに専心する澪ですが、危険を伴う吉原に通うことを心配した種市に、澪に一柳の板場で働くよう説得して欲しいと頼まれた医師・源斎の言葉が心に沁みるのでした
食は人の天なり
食べる人の心と身体を健やかに保とうと心がける。例えば、母親が我が子をを丈夫に育てたい、と願う。あるいは医師が患者を健やかにしたい、と願う。あなたはそんな気持ちを併せ持った料理人です。食は人の天なりを体現できる稀有の料理人なのです
源斎の言葉が澪の心を縛っていた迷いの糸を、ひとつ、またひとつ、と切っていき、迷いから解き放たれた澪の眼前に一筋の道が残ります
源斎先生、素敵です
源斎先生は澪のメンタル面での先導役的な存在のままで終わるのかな?

今回はりゅうさんは控えめでした(笑)

特別収録で久しぶりに登場した小野寺数馬
彼もまた遠くから澪を見守り続けているのですね

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2 コメント

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いよいよ第9巻になり、 (narkejp)
2021-05-17 17:42:05
千秋楽前日の気分ですね。起承転結で言えば転から結へヨッコイショと移行する巻。
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/2a8009b572dc7463158e15ccce2f0175
>源斎先生、素敵です
>源斎先生は澪のメンタル面での先導役的な存在のままで終わるのかな?
うふふ。言っちゃいたい、言っちゃいたいけど、ネタバレはご法度(^o^)/
でも、そのままで終わったら読者が黙っていないでしょう(^o^)/ 結末もステキですよ(^o^)/
narkejpさん (こに)
2021-05-18 13:55:24
>言っちゃいたい、言っちゃいたいけど、ネタバレはご法度
ということは、何もなく終わることは無いのですね!
楽しみぃ~~~~

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