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村薫「黄金を抱いて翔べ」

2009年12月02日 | た行の作家

銀行の地下金庫から金塊を盗み出そうと企てる男たちの物語

入念な計画と物資の調達、実行

長野駅での描写
午前11時、11時半、11時45分、11時48分…
長野を出て10分
12時34分だった
1秒か2秒

いよいよ決行の日
14:00、17:15、17:20…
18:50、18:52、18:55…
21:01、21:02、21:03

自分も同じ時間を共有し、その場にいるかのような錯覚に陥ります


幸田とモモさんの関係
「神の火」「李歐」に似た設定になっています
男性同士の友情を越えた絶対的な信頼関係がストーリーの要なんですね


「幸田さん、あそこへ行ってみようか…」
モモは、フェンスの向うの尖塔を指した。幸田は首を横に振った。あそこは遠い。絶対的に遠い。過去でも現在でもない。彼岸のように遠い、という気がした。
「…いつか行こう」
モモは静かに、だが、しっかりとささやいた。「いつか、行こう…」

いつか行こうと言った教会で、息を引き取ったモモ

この辺りからはずっと目が潤んでいたような

男たちの中で唯一家族があった北川
この計画の発案者であり首領ともいえる彼はあくまで脇役
でも彼の存在が無ければこの物語はつまらないものになっていたかもしれません
渋い脇役ってとこかな



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2 コメント

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高村薫 (hi-lite)
2009-12-05 19:36:35
ずっと以前に「マークスの山」を読んだことがあります。
女性の作家さんなのに、ずいぶん男っぽい描写をする作家さんだな~と思った覚えがあります。
この「黄金を抱いて翔べ」はシリーズもの?
今度読んでみようかな?(^。^:)
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hi-liteさん (こに)
2009-12-06 09:39:47
気力のある時に是非どうぞ!

マークスの山
良かったですね
黄金を抱いて~はシリーズではなくて別のお話です
マークスの山に続く合田警部シリーズは
照柿
レディ・ジョーカー
晴子情歌
新・リヤ王
太陽を曳く馬
と超超長編ばかり
文庫本になるのに10年以上はザラですし毎回大幅な加筆修正があることで有名で単行本を買ってもどうかな、でも読みたいな、と迷いながら買ってしまうのです
村さん、男性女性の枠を超えた方だと思います
あまりに緻密な描写が続いて読み飛ばすこともままありますけど、いつも読み終わって『満足』です
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