2011年 ドイツ
原題 Der granz groBe Traum
直訳すると「全く粗い夢」
邦題から受ける『明るい学園もの』とは違い『全く、よくやるよ』といった印象でしょうか
19世紀後半に実在した人物、ドイツ・サッカーの父、コンラート・コッホをモデルに映画化されたヒューマンドラマです
第一次大戦前、帝国主義ドイツの子供たちにとって、秩序と規律、服従がすべてだった
そこにサッカーを通して風穴を開けたのがコンラート・コッホ
1874年、イギリス・オックスフォード大学に留学していたコッホ(ダニエル・ブリュール)は名門カタリネウム校に初の英語教師として招かれる
教室に入った彼は生徒たちの、イギリスなど諸外国に対する偏見、労働者階級への差別意識の強さに驚く
英語など学ぶ必要はない、という態度の生徒たちを体育館に集めたコッホはサッカーを教え始める
ボールを蹴ることで大人たちから抑圧されていたものを発散、生まれて初めて味わう爽快感に生徒たちはすぐサッカーに夢中になりサッカー用語を通じて英語の授業にも熱心に取り組むようになる
そこに保守的な権力者から邪魔が入る
コッホの立場を守ろうと奮闘するも力尽きそうになる校長
クラスの生徒の面々も、肥満児、ブルジョワ階級の成績優秀な苛めっ子、その取り巻きたち、労働者階級の小柄な苛められっ子など
そんな子供たちがサッカーを通して自我に芽生え大切なことに気づいていく、という展開は目新しくもなくよくある話です
前半は学校の中のシーンが多く全体に暗いのですが、後半には屋外の緑と陽光に溢れた公園の明るさが目立ちます
こちらも徐々に気持ちが明るくなっていきました
主だった登場人物が男性ばかりの中で、二人の労働者階級の女性からは、柔らかさと毎日の貧しい暮らしの哀しみが伝わってきます
肥満児の父親、スポーツ用具販売会社の社長の儲け主義が可笑しかったです
世の中は色んな人の思惑で回っていくものなのでしょう
ラストの対イギリス戦の試合のところには力が入りました
頭の固いお役人さんや保護者たちも知らぬ間に試合に夢中になって応援し快哉をあげる
自分はサッカーより野球が好きですが、何であれスポーツは国家、人種、貧富の垣根を取り払い、社会をまとめるのに役立つものですね
感動しました
自分は単純なのかしら
それでも良いかな、なんて思いましたが
コッホ先生、よく頑張りました^^
何時の世も、思想よりも実はお金で世の中が回るのではないかという気がします。
父親からちゃんと実業家の資質を引き継いでいたんですね。
(^_^)
>何時の世も、思想よりも実はお金で世の中が回るのではないか
そうかもしれませんね。思想が経済活動に利用されるとか、ね。
私もレンタルで見ました^^
面白かったです!
ただね・・・あのいじめっこの将来を思うと、手放しに喜べない感じ・・。
あの太った男の子は、やり手社長になりそうですね!
というか自立、成長して欲しいと思います。^^
肥満児クン、事業を成功させたうえで慈善事業とかにも精を出して欲しいけどネ。
latifaさんにコメント頂いてこの映画を改めて思い出すに、いつも時代は変わっていくもの、人の価値観って何なのかな、なんて考えました。
(^_^)