角川書店
2011年2月 初版発行
2011年3月 再版発行
372頁
江戸の怪奇譚6編
人情、ホラー、ミステリーがふんだんに盛り込まれています
現代ものだったら、どれも恐ろし過ぎて辛いくらい
夜、部屋に一人で読んでいてとにかく怖かったのが
「お文の影」
月の明るい夜
子供たちが楽しく遊んでいるのだが、ひとつ影が多い…
子供たちの声に引き寄せられてきたらしい影の正体は?
是非とも映像化して欲しい、と思ったのが
「野槌の墓」
凶器として使われた槌に邪悪な心が住み着き人を襲うようになる
この物の怪に立ち向かう貧乏御家人とメス猫の化身
御家人の亡妻の夫と娘を慈しむ思いにホロリとさせられました
別れるけれど消え失せはしない
亡き人びとはこの世を離れて、だからこそ永遠のものとなるのだから
凝視してしまいそうですよ。^^;
ふと思ったのですが、宮部さんの作品、現代物はよく映像化されるのに時代物は無いですよね。
どうしてなのかしらん。
何せ佐一郎に救いがないのが辛かったです。
>是非とも映像化して欲しい、と思ったのが
「野槌の墓」
私はプラスして」「お文の影」も映像で見てみたいです。
両方ともラストが綺麗だと思うので。