朝日新聞出版
上巻・青春篇
2018年9月 第1刷発行
351頁
下巻・花道篇
2018年9月 第1刷発行
353頁
戦後の長崎から大阪、オリンピック後の東京へ
任侠、立花組組長の息子、立花喜久雄が父親の死をきっかけに大阪の花井半次郎家にお世話になり、日本一の女形歌舞伎役者として人間国宝に認定されるまでの一代記
切磋琢磨する喜久雄と半次郎の一人息子・俊介
長崎時代から喜久雄を坊ちゃんと呼び、影日向に支えてくれる徳次
色々な場面で彼らと出会いその後長い付き合いとなる人々
魅力的なキャラばかりでワクワクします
しかし、最も魅力的なのは彼らを支える女性たち
俊介や喜久雄、さらにその子供たちが苦境にある時にも脚光を浴びるようになっても誰よりも近くにいて彼らを支えます
皆、肝が据わっていて頼もしいです
最後の最後、喜久雄のハレの姿を徳次が見たらきっと人目も憚らず泣いたでしょう
ラスト1頁は涙なしでは読めませんでした
上下巻合わせて700頁という長さに尻込みしていましたが「横道世之介」を思わせるテンポの良さでスラスラと読み進めることができました
本当に、良いものを読ませていただきました
軽妙な文章でなければ読み切れなかったかも、と今になって思います。
文体の軽さが読みやすさの一因だと思います。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/17726595.html
芸の世界ってのは見えてるものが違うのでしょうか凡人には計り知れないものがありますねー。
吉田修一さんの努力も凄いです!
作者はこれを書くために、舞台の黒子となって全国を回ったのですってね。
私の感想を貼らせて頂きます。
https://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/1a7854972b8e67757514d632b2736b96