Miho's Sweet & Bitter Days in London

甘く、時にビターな日々の雑記帳

ISDA会議について

2006-12-09 | 日々雑感

NYのオフィスビルに飾ってあったツリー。綺麗でした。

本日驚愕の事実
…私の「職場の熱い同僚」(←ブログ頻出、最近結婚したばっかり)、彼は私より2コ年下になります。なのに、仕事の頼みごとをするとき以外は私に「ばりばりタメ語」です。NY行く前なんか、「NY頑張ってこいよ~!」と言われ、「…わたし、一応先輩ね、先輩」と念を押したくらいです(笑)。そんな態度のせいだろうか。。同じ職場の別の男の子(←期待の新人、1年目)は私と彼のことをずっと「同期」だと思ってたらしい。「え?いつ同期じゃないって気付いたの?」と聞いたら「先々週。。」とのこと。・・・。彼は入社してもう8ヶ月がたつのだ。8ヶ月間、ずーっと私はあの熱血同僚と同期だと思われていたのだ。。熱血同僚よ、少しは私に敬意を払ってくれぃ!

な~んて。ホントはまぁまぁ仲良しです。


さて、今日はISDA Conferenceについて書こうと思います。デリバティブに関わらない人には馴染みのないものだと認識しています。ISDAのキーワードで私のブログに辿り着く人なんてのもいないんじゃないかなぁ。でもまぁ、せっかくNYにまで行ってこの会議(というかセミナーなんだけど)に参加させてもらったんだから、何か残しておきたいなぁと思ったのです。つまんないと思うから、以下読み飛ばしてください。

簡単に書くと、ISDAというのはInternational Swaps and Derivatives Associationという協会の正式名称です。でも、この業界で「ISDA 」「ISDA」と呼ばれるのはこの協会が作成、出版している『デリバティブ取引を規定する世界標準契約書』を指します。全文英語。きわめて長い。すこぶる難解。すさまじく複雑。某大手法律事務所の先生いわく、「弁護士だってISDAと聞いて嫌がる人がいる」。私の意見は「No one really likes it, it's just a matter of necessity」である。

ありとあらゆるデリバをこの標準契約書で規律しようとし、世界中でこれを使おうとしているため、協会は日々これのアップデートに勤めねばならず、世界各地でそのセミナー(基礎編から応用編からワークショップまで)を開催してる。

私が今回NYで出席したのは、このセミナー2本なのです。1本=一日。受講費、10万円くらい。講師(5,6人の交代制)がひたすら喋る。喋る。喋る。参加者、それを聴く。聴く。聴く。質問する。さらに聴く。その繰り返し。結構エネルギーが要ります。

ちなみにこのISDA Conference, 必ずどこかのホテルで行われ、簡単な朝ご飯とランチが出ます。


『Helmsley Hotel での朝食の図』。
日本では帝国ホテルや椿山荘、全日空ホテルなどで行われます(すなわち、出てくるものは美味しい。珈琲、紅茶、おやつも常備)。

ん~と。NYでのConferenceの感想。

『きつかった!!』

日本ではまだISDAが定着しきっていないのだと実感しました。

NYに集うのは、やっぱり業界の最先端を走る大手投資銀行や証券会社の社内弁護士やドキュメンテーションのプロ達。ランチタイムの会話となると、私みたいなぴよぴよにはついていけない会話が繰り広げられます。輝かしいキャリアの数々、現在手がけている大きなデリバ案件、最先端のトピック、えとせとら。えとせとら。私の売りなんて「東京から来たよ~」ってことだけでした。あと、「Commodityのことならちょっとは分かるよ。それは扱う商品によってぜ~んぜ~ん違うってこと!だから全商品に対応できる雛形作ろうと思っても、半分はムダムダ!」という何とも漠たるコメントが評価されたことくらいかな。そりゃ評価されるさ、Commodityのドキュメンテーションしかやってない人間なんて日本の商社くらいにしかいないだろうから。。(それは企業文化ってやつですね。商社は部ごとに独立してるから恐らくどこも私の会社みたいなものだと思う。)

すんごい刺激でした。行って良かった、ISDA会議。私は2年間これをやってきて、ちょっとは分かったつもりになってたけど、甘い甘い。かじった程度でございました。

そして、私がISDAをやるのももう終わりに近付いています。ヒヨコはちょっと成長したとはいえ、まだまだヒヨコのままこの業界を去ろうとしています。法務部に行ったら暫く金融分野はやらないから。ちょっとホッとしたような、残念なような気持ちです。でもこんな業界の先端を味わわせてもらって、私は幸せ者でした。

おしまい

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様 (笹原)
2006-12-10 01:07:42
でございました。
内田先生の民法三部の教科書で
IDSAという言葉を初めて見た記憶があります。
やっぱり、目配りの広い研究者でいらしたのですね。

>受講費、10万円くらい

すご・・・・・。

集団形式セミナーなのに・・・・。

>日本ではまだISDAが定着しきっていないのだと実感しました。

ほお。
デリバで、お金の運用をしている人たちが
めいめい勝手に、契約書を自家製しているという
ことでしょうか。

>NYに集うのは、やっぱり業界の最先端を走る大手投資銀行や証券会社の社内弁護士やドキュメンテーションのプロ達

よかったですね。
さわみさんの職場のいいところが、凝縮
されてませんか?

>、「Commodityのことならちょっとは分かるよ。それは扱う商品によってぜ~んぜ~ん違うってこと!だから全商品に対応できる雛形作ろうと思っても、半分はムダムダ!」

扱う商品のリスクが多様すぎるってことかと
理解しましたが・・。
なるほど。だから、商社もデリバをやるわけで・・。
銅とかの先物やるということでしょ?

アメリカ系のブログも、何本か読みましたけど、
やっぱり、さわみさんブログNo1!!
ホントですよ。


待ってました! (Miho)
2006-12-10 22:58:40
…笹原君、何か書いてくれるだろうと期待してました(笑)、ありがとうございます。

「日本で定着してない」というのは、商品ごとの特性を踏まえたドキュメンテーションを本当の意味で出来ている(そこまで熟慮できている)企業がどれだけあるか、という意味でです。私はもちろんだけど、そこまで考えられてる担当者は少ないんじゃないかと思うのね。概略は掴めててもね。日本ではまだそこまで議論が尽くされていないの。レベルとして。

私のいる部署はエネルギー、貴金属、ベースメタル(非鉄金属)、を扱ってるよ。リスクだけじゃなくて、そもそもそれぞれの商売の性質に特性がありすぎて同じには考えられないんだと思うなぁ。書き始めると止まらなくなるから止めとくけど(笑)。

ブログお褒めいただき有難うございます!私のブログの『一年間ご愛読感謝賞』を創設するとしたら、笹原君に進呈します☆(いらないだろうけど)

寒くなってきたけど体調管理に気をつけてね!
あ、誤解を招かぬように (Miho)
2006-12-11 00:55:23
>私はもちろんだけど、そこまで考えられてる担当者は少ないんじゃないかと思うのね。

。。上記my comment, 「私はもちろんだけど」というのは「私はもちろんそこまで考えられるほど能力はないけど」という意味です。 

間違っても「私はもちろん出来てるわよ」ではありません。そんなアホなこと、あるわけがありません(笑)。なんせぴよぴよなんだから。