桜~。 ちょっとずるいけど、これ、去年の写真です。今年はまだ撮れてない…。
忘れてましたが、東野圭吾の『変身』も読みました。会社の先輩が「これコワイよ」と貸してくれたのですが… おっしゃる通り!こわかった。「心って何だろう。記憶って何だろう。人格って何だろう。」そんな疑問を抱いてしまう恐さです。
主人公の青年は、ある事件に巻き込まれて頭部を負傷。脳の一部を移植する手術を受けて生き延びます。が、時間の経過と共に徐々にその脳の提供者(ドナー)の人格に支配されていく。じわりじわりと元の自分が失われていく恐怖。恋人を愛せなくなっていく不可思議さ。ドナーの家族と再会した時に感じた一体感。「自分自身」が体験したはずのない過去のトラウマ。憎しみ。凶暴性。それらに支配されていくわけです。「自分」とは一体、何物なのか。
脳も臓器の一部なのに、ただの臓器ではない。人格をつかさどる、精神をつかさどる「自分そのもの」。人生の足跡を刻んだ臓器。それを移植することをどう考えるべきか。「自分」を失ってまで生きることを選択できるのかなぁ。 …崖っぷちの主人公を最後の最後で「救った」のは、ドナーの人格に抹消されかけていた愛の記憶でした。偉大なり、人の愛情。本能なのでしょうか。
今日NHKを見てたら歌手の槙原敬之さんがこんなことを言ってました。『愛されることは難しいけど、愛することはできる』と。…御意。この主人公の恋人も愛することを選びました。それが主人公を引き戻した。やはり本能なのかなぁ。
ん~。痛い。『容疑者Xの献身』も この『変身』も、愛が痛いです。ハッピーエンドがお好きな方にはおススメ出来ませんが、それでもおススメしときます。