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絵本ひとりぼっち

手作り絵本歴38年・ひとりぼっちのひとりごと

花火

2006-07-22 22:02:27 | イベント
そろそろあちこちで花火大会が行われる季節。
我が家の二階アトリエからは尾張旭市の花火が、よく見える。

何年か前、花火大会の日に線香花火をしようと計画した。
夜空に大きく広がる花火もいいけれど、一番好きなのは線香花火・・という私と同じ趣味の人がいたのだ。 

当日、まだ明るい浜辺には、暗くなるのを待つ人たちが大勢座っていた。 私たちは待ちきれずに線香花火に火をつける。 風が強くてなかなかつかないと言っては笑い、火がついても明るすぎて見えないと言っては笑い、他の人たちが見ていると言っては笑った。

いい年をして、子どもっぽい計画を実行しているという、それだけのことに、二人ともはしゃいでいた。 肝心の夜空の花火は・・印象に残っていない。

線香花火をつまんでいた指には、花火の火薬の臭いが染み付いてとれない。 石鹸で何度もゴシゴシ洗って、まだ臭い・・と言い合ってまた笑った。 花火と言うと、明るくて見えなかった線香花火と、指についてとれなかった臭いを想い出してしまう。 

日本の花火は美しい。 夜空に広がる不思議な色合いの大きな花が、惜しげもなくアッと言う間に消えていき、あたりを震わすような大きな音が遅れて響く。 その音に気付いて空を見上げても、音の主はもうあとかたもなく消えている。
花火大会のフィナーレに、盛大に打ち上げられる複数の花火が、アンコールのないコンサートの最後の曲のように終わる。
そして、真っ暗な夜空に、遅れてきた音だけが虚しく響く。

花火は 哀しい。