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絵本ひとりぼっち

手作り絵本歴38年・ひとりぼっちのひとりごと

ジェーンったら・・・(2)

2006-12-11 17:56:31 | 
真っ暗な中、カサコソカサコソ音がする。 まだベッドの中で目が覚めない私の耳に聞こえるあの音が、廊下を行ったり来たりしている。
・・・・・ジェーンだ!!・・・飛び起きて寝室のドアを開けたら、いない。 夢?
廊下の電気をつけたら、なんと寝室の向かい側の娘の部屋で、ジェーンはかがんでいた。 足元には大きな水溜り。 
ジェーンはばつが悪そうな顔をこちらに向けるが、途中で止められなくて困っている様子。 その顔は、いつもの若作りジェーンとはかけ離れた、老犬そのものだった。

用を足したジェーンは、照れ笑いを浮かべながら、私と一緒に階段を下りてゆく。 玄関のドアを開けてやると外へ飛び出して行って、興奮気味に走り回っている。 時計を見ると5時過ぎ。 私はたくさんのボロ布と洗剤と消臭殺菌スプレーを手に二階へ上がり、何度も何度も拭き掃除。
・・・叱れない。 恐縮して照れ笑いを浮かべた老犬の顔を思い出すと、とても叱れない。 きっと、玄関でキュンキュンとささやき、階段を上がって私を探してウロウロしたあげく、我慢できずにガランとした娘の部屋で用を足そうと決めたのだ。 隣りのアトリエではなく、床に何も置かれていない部屋を選んだのだ。

夜、ジェーンを玄関に入れてやろうと呼ぶと、「ちょっと待ってて」という表情をして、庭の隅に行き、トイレを済ませる。 朝まで我慢できなかったことは、今までになかった。 年をとるというのは、こういうことなのだろう。 仕方のないことなのだろう。


だけど、ジェーン、怪しい人が門に近づいたときは、あんなに大声で吠えているじゃないの。 「ママ、トイレ~!」って、大声で吠えてよね、これから・・・。

ジェーンったら・・・

2006-12-02 01:14:58 | 
火曜日と金曜日のゴミ出しの日、愛犬ジェーンはソワソワしている。
私がゴミをまとめて、すぐそばの収集場へ持って行くときに、ジェーンも連れて行くことにしているからだ。 何故ゴミ出しの日がわかるかというと、門の外をゴミ袋を持った人が何人も通るから・・だと思う。

この数分間の「外出」は、リードをつけられずに歩ける唯一のチャンスなのだから、ジェーンは早朝からソワソワと待っている。 いつもは門を開けておいても外へ出ないのに、この日は許されるのがわかっていて、飛び出す。 私の周りを飛び跳ねるように歩いては、あちこち臭いをかいで、3軒くらい向こうまで全速力で走って行ってすぐに戻ってくる。 私が(わざと)ゆっくり歩いてゴミを置いて、ゆっくり戻ってくるまでには、私の横をすり抜けて門の内側に走りこむ。 そうすると、「おりこうだねぇ、ジェーンは」と、誉めてもらえるから・・だと思う。

それが先週、ジェーンは調子に乗りすぎた。 近所の家の庭で、禁止しているオシッコをして、もっと遠くの家の方まで走って行って庭の中へ入り込み、私がジェーンから見える位置で身振りで呼んでも帰ってこなかった。 加齢で聴力がひどく弱っているので、呼んでも聞こえないのだけれど、目はよく見えるはずなのに、気付かないふりをして、また違う方向へ走った。 よその家の裏まで入り込み、私が追うとふざけるように逃げた。

しばらくして私が先に門に入り、閉めようとしたら、ようやく戻ってきたジェーン。 いつもなら、言うことを聞かなかったときは大いに反省して、伏せをしながら上目遣いで私を見て右前足を上げるのに、この日は門の中でも私のそばに来ないで裏へ逃げて行ってしまった。

老犬なので、お尻をたたいたりはしないけれど、私はしつこくジェーンを叱った。 ジェーンのまん前に立ち、目を合わせて叱ると、さすがにシュンとなった。 でも、こんなことをされては、もうゴミ出しに連れて行けない。 そして、今週はゴミ袋を持った私についてこようとしたジェーンの目の前で門を閉じた。

写真は、珍しく「すねた顔」のジェーン。
さぁ、いつ解禁にするか・・・が、問題。