Pianist 池田みどり

ピアニスト池田みどりの四苦八苦をまるごとお見せします。
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今日からジャズアカデミー講座です。

2012-10-04 | Diary

 「モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさき2012」の主催する「ジャズアカデミー講座」は、5人の活躍するミュージシャンによる実演を含めた講義です。5回でなんと3000円…これだけの講師をそろえて、あり得ないほどの価格です。50名の参加枠に人気が殺到したため、会場を変更し、全員を受け入れたところ、120名以上になったそうです。講師は[10/4] 佐山 雅弘、[10/11] 守屋 純子、[10/18] 国府 弘子[10/25] 小山 太郎、[11/8] 中村 誠一

 今日はこの「ミューザ川崎シンフォニー・ホール」のアドバイザーでもあり、本場モントルー・ジャズ・フェスティバルにも出演経験のある、ピアニスト・作・編曲家として活躍する佐山雅弘さん。彼はRCサクセション、プリズム、PONTABOXなどの人気バンドのキーボードとしても、コンサートやテレビ番組の音楽監督としても活躍しています。私はちょっと早めに行って、なんとピアノの真ん前、かぶりつきで、おいしいところ独り占めしちゃいました。

 まずは大雑把にジャズの80年の歴史から。ジャズは1900年ごろ、ブルース・ラグタイム・そしてマーチなどの要素を取り入れてNew Orleans Jazzとして始まりました。1920年代にはビックバンドブームによりSwingが、そして1930年ごろには特にサックスなどの台頭によるBe-Bopが、さらにHard Bopが盛んになります。1950年代にはいままでの理論をくつがえすようなMODE奏法がマイルス・ディヴィスによって産み出されます。そのころ、Bill Evansがその理論をさらにハーモニーに取り入れ、モダンハーモニーを創り出します。これがある意味、ジャズの頂点だったのかもしれません。1960年代にビートルズがさらに歴史を塗り替え、音楽はエレキトリック化していきます。1970年代にFusionがそして1980年にはNew Traditionalが発展していき、ジャズはどんどんとそのジャンルを広げるとともに、希薄にもなっていきます。

 佐山さんはラグ・タイムからクラシックまで自由自在に演奏しながら説明してくれます。それも面白おかしく…彼の人柄の大きさを感じます。こういう心遣いがないと、音楽監督なんてなれないですよね。監督なんて、気遣いの人ですから…

 笑っちゃったのが、「なりきりジャズピアノ」のコーナー。バド・パウェルらしく弾くには、椅子を高くして目線はグランドピアノの弦のあたりに…セロニアス・モンクは逆に椅子を低くして斜めに座る。ビル・エバンスに至っては、あの写真の通り、背中を丸め鍵盤にうなだれるように弾く。まあ、これ一発芸ですけど、受けますよね。

 「おもしろ交友録」では、ジャズピアノ六連弾の裏話やら、人気バンドの裏話やらで、ここらへんはオフレコです。とにかく笑える。

 楽しい2時間でした。これでピアノが上手くなろうなんて講座じゃないから、気楽です。

 次回は守屋純子。毎回違う講師だから、毎回まるきり違う雰囲気を楽しめそうです。

 それにしてもこのモントルージャズフェスティバルかわさき2012のゲストは、すごいです。
 わたしの最も尊敬するアーティストである、デイブ・グルーシン、そしてミシェル・カミーロ…もちろんS席で観覧です。

 ※モントルージャズフェスティバルかわさき2012 ジャズアカデミー講座 http://www.montreuxjazz.jp/news_kawasaki/%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%82%ba%e3%82%a2%e3%82%ab%e3%83%87%e3%83%9f%e3%83%bc-%e5%8f%97%e8%ac%9b%e8%80%85%e5%8b%9f%e9%9b%86%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/

 ※ベストショットが撮れなくて、佐山さん、ごめんなさい!


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