東京医科大学病院 渡航者医療センターでは、厚生労働省科学研究費補助による臨床研究「成人に対する不活化ポリオワクチン追加接種の効果」のボランティアを募集しています。ジャムズネット東京のメンバーでもあるセンター長からお知らせをいただき、医療のためにお役に立てるならと、臨床研究に参加させていただきました。
ポリオは、ポリオウィルスによっておこる四肢の麻痺性疾患です。実際にポリオウィルスに冒されても麻痺性疾患が起こる率は低いのですが、罹患した場合、終生麻痺が残ったり死亡する場合もあります。症状が現れなくても、ウィルスを持ったまま他の人に感染させる可能性もあります。2000年に日本はポリオ根絶をWHOに報告していますが、いまだ南アジア、アフリカなどで患者の発生が見られています。最近は中国で渡航者を媒体とされる感染が報告されています。我が国でも渡航者による感染がないとは言い切れません。
現在まで、日本では生ワクチンを用いられて来ましたが、欧米諸国で認可されている不活化ポリオワクチンを接種するケースが増えており、実際に今年9月からは、厚生労働省で導入が決まっています。ただし、何回追加接種すればよいか、科学的根拠が示されていないため、その臨床研究が急がれるところです。
今日は詳しいポリオの説明、研究の目的、問診などを受けてから、血液検査を行い、不活化ポリオワクチンの接種を受けました。明日から1週間ほど体温をつけ、変化が起こるかなどを検査表に記入していくことになります。今後、計二回の接種と計三回の血液検査を受けることになります。
特に南アジア、アフリカなどに渡航の方は、この臨床研究に参加されることで、ワクチン接種費用が無料になります。
※東京医科大学病院 渡航者医療センター http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/tokou/index.html
※厚生労働省 ポリオワクチン http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/
※写真はWikipedia 急性灰白髄炎(ポリオ)より転載させていただきました。