Pianist 池田みどり

ピアニスト池田みどりの四苦八苦をまるごとお見せします。
http://www.hi-ho.ne.jp/~midopi/

医療のための臨床研究ボランティアに参加しました。

2012-06-29 | Diary

 東京医科大学病院 渡航者医療センターでは、厚生労働省科学研究費補助による臨床研究「成人に対する不活化ポリオワクチン追加接種の効果」のボランティアを募集しています。ジャムズネット東京のメンバーでもあるセンター長からお知らせをいただき、医療のためにお役に立てるならと、臨床研究に参加させていただきました。

 ポリオは、ポリオウィルスによっておこる四肢の麻痺性疾患です。実際にポリオウィルスに冒されても麻痺性疾患が起こる率は低いのですが、罹患した場合、終生麻痺が残ったり死亡する場合もあります。症状が現れなくても、ウィルスを持ったまま他の人に感染させる可能性もあります。2000年に日本はポリオ根絶をWHOに報告していますが、いまだ南アジア、アフリカなどで患者の発生が見られています。最近は中国で渡航者を媒体とされる感染が報告されています。我が国でも渡航者による感染がないとは言い切れません。

 現在まで、日本では生ワクチンを用いられて来ましたが、欧米諸国で認可されている不活化ポリオワクチンを接種するケースが増えており、実際に今年9月からは、厚生労働省で導入が決まっています。ただし、何回追加接種すればよいか、科学的根拠が示されていないため、その臨床研究が急がれるところです。

 今日は詳しいポリオの説明、研究の目的、問診などを受けてから、血液検査を行い、不活化ポリオワクチンの接種を受けました。明日から1週間ほど体温をつけ、変化が起こるかなどを検査表に記入していくことになります。今後、計二回の接種と計三回の血液検査を受けることになります。

 特に南アジア、アフリカなどに渡航の方は、この臨床研究に参加されることで、ワクチン接種費用が無料になります。

 ※東京医科大学病院 渡航者医療センター http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/tokou/index.html

 ※厚生労働省 ポリオワクチン http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/

 ※写真はWikipedia 急性灰白髄炎(ポリオ)より転載させていただきました。


朗読発表公演最終リハーサル

2012-06-28 | Diary

 この半年間、指導を受けてきた青木裕子先生の朗読ワークショップの集大成である、発表公演がいよいよこの日曜日に迫ってきました。今日は、その最終リハーサル。いつもはテーブルを囲んでの読み合わせなのですが、今日は舞台に実際に立ってのリハーサル。今回の課題の平家物語は原文の古語だけだと、聞いている方にわかりにくいということもあり、現代文の説明を各自が書きました。原稿のとりまとめなど、お手伝いをさせていただきながらも、みなさんの完成形を聞くのは、これが初めて。こうやって舞台で発表する仲間たちの朗読を聞くと、それぞれの個性が際立ちます。

 この朗読ワークショップに入った時には、今後の朗読とピアノとのコラボを勉強するためにという目的はあったものの、これほど縁が深まるとは思いもしませんでした。この生徒たちは青木先生にとって第一期生となりますが、ご本人にとってもこれほど個性豊かな人たちが集まるとは想像されていなかったでしょう。個性はひとりひとりが全然違うのに、それがいつか「和」になっている。日曜日の発表公演でこのワークショップは終了になりますが、きっと何かの形でつながりが残るでしょう。

 あと3日、集大成に向けて、どこまでできるかなと思います。そして発表の最後には、即興の「平家物語」を演奏します。これは責任重大です。

 【読夢の会 第2回ワークショップ発表公演「平家物語」】

軽井沢朗読館館長・青木裕子が東京で主催している”読夢の会ワークショップ”受講生による発表会です。

2012年7月1日(日)
開場 13:30 / 開演 14:30(約2時間)
場所 軽井沢朗読館ホール

「平家物語」を原文と現代文で綴る朗読の世界を堪能ください。
 入場無料
 駐車台数が限られているためあらかじめお問い合わせ・ご予約ください。
    軽井沢朗読館 0267-46-0036
 

http://karuizawaroudokukan.jp/


「インプロヴィゼイションのためのイヤー・トレーニング」

2012-06-25 | Diary

 NYのニュースクール大学ジャズ科でイヤートレーニングの教鞭をとるArman Donerianが25年におよぶ経験を要約した本。ATNの出版です。翻訳は同じくニュースクール大学ジャズ科で「スタンダード・アンサンブル」や「理論と実技」などの講師を務めたギタリスト井上智さん。井上さんは2010年に帰国後、演奏活動と日本での教育活動を積極的に行っています。井上さんとは、NYでお世話になった百々徹さんがよく共演をなさっていたこともあり、帰国後私の名前を聞いていらしたことが、ご縁の始まりです。演奏者としても教育者としても尊敬できる方だと、注目していました。

 先週は、井上智さんのセオリー&パフォーマンスの個人レッスンを体験してきました。まずは彼のギターとの共演でごあいさつ。いやあ、いきなり共演させていただいて光栄であります。「一目瞭然のベテラン」というお言葉をいただき、身の縮まる想いです。わからないことだらけなんです。 自分も教えるという立場ですから、井上さんという世界レベルの講師がどのように指導しているかを知りたいというのもあります。だから、一から教えてください。ということで、このイヤートレーニングの方法を取り入れたレッスンから始めることになりました。

 Arman Donerianは歌う、タップするという2つを柱に音感とリズム感を養っていきます。「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」では歌わない。数字で歌います。たとえばキーCのド・ミ・ソは1.3.5と歌う。キーFのファ・ラ・ドも1.3.5になります。タップは実際には演奏中はかかと側でテンポを取りますが、この本では最初は両膝を手でたたく方法を取ります。ジャズであろうが、クラシックであろうが、ピアニストであろうが、サックス奏者であろうが、すべてのジャンル・演奏者に共通するレッスンでもあります。スケール・インターバルから始まり、かなり難しいところまで行きます。

 井上さんの個人レッスンを月1回受けることにしました。早速の宿題は山のようです。メジャートライアド、マイナートライアド・オーギュメント・ディミニッシュをそれぞれ基本転回・第1転回、第2転回ですべての1-3-5の組み合わせとスケールを言えるようにすること。それもすべてを12キーでやります。864種類ですね。それだけじゃない・・・・

 レッスンを受ける上で、カリキュラムがしっかりしていて、生徒にとってやることがはっきりとしている…私はこれがもっとも大事なことの一つだと思っています。

 ※井上智オフィシャルウェブサイト http://www.satoshiinoue.com/

 ※株式会社ATN http://www.atn-inc.jp/


「どうして生きなきゃいけないの?」と問われた時

2012-06-24 | Diary

 この究極の問いを自分に問いかけるときありませんか?実は私はよく自分に問いかけます。

 森川すいめい氏は独自の活動をする精神医です。ホームレス支援のNPO法人「TENOHASI(てのはし)」の代表として、池袋などでの炊き出しや医療相談などを中心に、2009年には世界の医療団代表を就任されるなど、幅広い活動をされています。彼とてこの問いに答えはないと言います。

 私もうつ病を経験しています。メンタルヘルスという看板の下、医師を訪ねると、軽く2-3分の問診の後、薬をもらうことになります。「また2週間後に来てください」ネットを見ると勝手に止めてはいけないというので、ずっと通いますが、症状はあまり変わりません。むしろイライラしたりすることもありました。半年も通い、改善がないので、別の病院へも行きますが、やはり一緒です。どこもせいぜい2分の問診が5分になる程度です。薬だけが頼りということになります。

 森川氏はうつと不安は別ものだから、不安は薬では治らないと言います。彼はこの1年一度も抗うつ剤を処方していませんと言い切ります。すごいことだと思います。彼の場合、最初の問診でとことん話を聞くそうです。時には4時間になることもある。そのことで原因がつかめてくるそうです。クライアントの問題をテーブルの上にまずは広げる、そして整理していく。その手伝いをするのが聞く側の仕事です。

 ここで大切なのは、具体的に援助することです。森川氏はそのためにビジネスマネージメントの勉強までしました。クライアントの不安をとりのぞくために一緒に学ぶことにしたわけです。そしてもうひとつ大切なのは「時間薬」。時間は常に変化をもたらします。10年経てば時間が不安を取り除いてくれる。それまでをサポートする。

 人間には生命保持機能として変化を嫌う性質があります。変化を起こすには人からの言葉でなく、自分のペースで変化していくことが大切です。その変化のときに、周りからの具体的なサポートやコミュニケーションがあれば、人は万が一を切り抜けることができます。

 森川氏は現在東北被災者向けに、社会福祉協議会と組んで「眠りのコツ講座」を連続で開いています。眠りは最高の「時間薬」のひとつです。うつ病の多くの人が不眠症です。不眠を克服することで、脳は活性化します。この講座では一切悲しみについては触れません。具体的に…これがカギです。

 講義の後、炊き出しと医療相談に行きますと言って、早々にちょっと恥ずかしげな笑顔とともに、池袋に向かわれました。

 ※TENOHASI(てのはし) http://tenohasi.exblog.jp/  

ホームレスとNPO法人てのはし ~池袋の公園で生まれた小さな社会~


ジャムズネット東京のパンフレット作りました。

2012-06-20 | Diary

 ジャムズネット東京は「世界を跨いで活動する日本人を支援する」医療ネットワークです。医療だけではなく、教育・福祉などの専門家たちが集まっています。2月には特定非営利活動法人として認定されました。7月29日には、初の記念講演会を、開催します。ということで、事務局の私に、パンフレットを作ってくださいというメンバーからのオーダーがあり、初挑戦しました。

 自分たちのコンサートのパンフレットくらいは作ったことがあるんですが、画像ソフトが使いこなせないので、Wordで作りました。オフィスのテンプレートや画像を使いながら、いろいろと細かい部分も手を加えてデザインしました。案外、すぐにできて、なかなかしっくりしたいい感じのものになりました。

 さて、印刷会社への入稿を自分でやるのは初めてです。入稿の方法を読んでみるとトンボやら何やら知らない言葉がいっぱい。入稿してみたところ、ロゴの解像度が低かったり、余白がまばらだったりで、何度もダメ出しをいただいちゃいました。ちょっと泣きが入ったところで、印刷会社の方に、技術サポートをお願いしたところ、本当に親切に教えてくれました。おかげで、いろいろと勉強になりました。結局、1週間かかって、やっとできあがりました。実物を見るまでドキドキものでした。昨日、実物が届いたんですが、「おお、予想以上にいいじゃない!」という出来になりました。

 どこかでこのパンフレットに出会ったら、みどりちゃんの努力を思いだしてやってください。

 ※ジャムズネット東京 http://jamsnettokyo.org/ 

 ※裏面もカラーなんですが、ここでは割愛します。ジャムズネット東京のホームページをごらんください。


歌声楽団@福寿園

2012-06-17 | Diary
 「国境なき楽団」の活動としてシニアコーラスグループ「歌声楽団」の一員としてお手伝いさせていただいています。「傾聴かなコミ21」のボランティア活動として毎月伺っている「特別養護老人ホーム 福寿園」に、この歌声楽団がゲスト出演するという、クロスイベントが土曜日行われました。この仕掛け人は、傾聴かなコミ21のメンバーでもあり、国境なき楽団の企画担当もされている杉本さん。私も同じくどちらにも所属していますので、どのように企画を立てて、詳細に実行していくかを、勉強させていただいています。

 高齢者の方々にもよく見えるような大きな歌詞カードを作るために、日曜日には有志が集まってその作業をしました。もちろん音響設備、会場の細かいチェックなども必要です。模造紙に印刷した歌詞を切り貼りするのには、思った以上に時間がかかりましたが、手作り感のある温かいものができました。ホワイトボードにも入りきらない大きな模造紙をどうやって見せるか…など、細かい部分まで考える必要があります。このように、実際の場面をひとつひとついかにリアルに想像できるかが、企画側の仕事です。

 さて、当日はあいにくの雨。中庭で開催されるはずのコンサートでしたが、今日は施設内の共用広場での演奏ということになりました。大きな施設なので、1階・2階と2回のコンサートをしなければなりません。すでに1階の入居者の方々は、頸を長くして待ってらっしゃいます。プログラム通り、まずは歌声楽団と施設の方々の掛け合いで歌のあいさつが始まります。そして歌声楽団の歌を聞いていただいてから、バンド演奏。チターをフューチャーした「第三の男」は、サウンドトラックの香りがしました。その後、みなさんでのシングアウトの時間。歌声楽団のメンバーは入居者さんたちの席に混ざって、一緒に歌ってくれるので、入居者さんたちも元気いっぱい歌って、笑顔が絶えませんでした。

 上手く歌うことじゃない。ただ心が重なればいいんですよね。歌声楽団の人生の先輩たちには、そんなことを教えていただいています。そして完璧にできることじゃない。ただそれを楽しみながら、常に努力する姿、そんなことも、先輩たちに教えていただいています。


 

歌を忘れたかなりあは…

2012-06-15 | Diary
 響奏の吟遊詩人 風の歌を主催されている鍋島久美子先生のレッスン。いつも心躍るような会話をさせていただきながら、レッスンを受けていたのですが、少しお休みをいただいています。今日は、久しぶりに鍋島先生にお会いしたいと思って、彼女が率いるアカペラコンサートに行ってきました。場所は東京オペラシティ、近江楽堂。天井が丸くなっていて教会のような響きのあるこの場所で、彼らの声を聞くのは、間違いなく私にとって至宝の時間です。どこから音が出ているのかわからないような響きです。空間が静かに音を含んで、やわらかく音に包まれる…そんな感じです。

 鍋島先生の曲の紹介も楽しみのひとつです。今回は特に印象に残ったのが童謡「かなりあ」です。「歌を忘れたかなりあは、裏のお山に捨てましょか?…」私は自分が歌えなくなったときに、この歌をしみじみと思ったことがあります。
 
 実は作詞の西條八十(さいじょう やそ)も、生活のために作詞に専念できないジレンマに苦しんでいたと言います。当時「赤い鳥」という児童雑誌が刊行されており、多くの童謡がここから誕生しました。この「かなりあ」は当初、旋律をつけるつもりはなかったようですが、成田為三(なりた ためぞう)によって旋律がつけられ、初の童謡として発表されました。その後、次々と詩と音楽は融合され、童謡が発表されるようになりました。当時歌われていた小学唱歌と違うファンタジーが人々に受け入れられました。成田為三は北原白秋のコンビは「赤い鳥 小鳥」を発表し、これも今日のコンサートで最初に歌われました。

 この時代の童謡が持つファンタジーは、日本人の心の原風景とも言えるような繊細な情感がありますね。

 ※響奏の吟遊詩人 風の歌 http://wing-of-wind.com/index.html

 ※動画:響奏の吟遊詩人 風の歌による「ゆりかごの歌」(北原白秋作詞、草川信作曲)
 
ゆりかごのうた



「自分を支える心の技法~対人関係を変える9つのレッスン」名越康文著

2012-06-13 | Diary
 テレビなどでおなじみの精神科医の名越康文先生の本。医学書院からの出版です。
 特にストレスの強い医療現場で働く人たちのために、セルフコントロールにつながる心理学的な技法についての名越先生の連続講座があり、それを本にまとめたのがこれです。医学書院では看護師のためのWebマガジン「かんかん!」を発行していますが、この講座の内容を掲載したところ、多くの反応があり、講義録に加筆修正を加えて、対人関係の実践論としてまとめられました。

 「対人関係のカギは自分の心にある」…わかっているようで、どうにもならないジレンマに陥るのですが、そのジレンマこそが、実は人間関係は生まれたときから怒りを根源としたものじゃないかという切り口から入ってきます。私たちは「怒りは百害あって一利なし」ということもわかっているようで、どうにもならない…こういうどうにもならないことをまずは気付いてみようといいます。実はこの「認知」という「メタ」な状態が、多くのカギになりうるのかなって思います。

 この本でも中盤以降、かなり細かくレッスン方法が提案されていて、まさに実践本というところでしょうか。後半では「日常のための瞑想法」が実践編として章を割いて書かれています。瞑想とは認知したものを俯瞰した状態で捉えるという技法ではないかと私は思います。

 さて、内容はぜひ一読あれ。

 ところで、この本の医学書院担当者と、連続講座担当者と、まるきり別ルートで知っており、こんなところでも、不思議なご縁を感じるのでありました。こういうご縁が繋がる時期ってあるんですよね。いい兆行です。

 ※名越康文先生新刊『自分を支える心の技法~対人関係を変える9つのレッスン』 http://igs-kankan.com/article/2012/05/000603/

読夢の会:第2回ワークショップ発表公演「平家物語」

2012-06-11 | Diary
 朗読ワークショップの生徒たちによる発表公演のチラシができあがってきました。メンバーの娘さんがお忙しい中、制作してくださったものです。実は私もちょうど、自分でデザインした医療ネットワークのチラシを印刷会社に入稿中で、なんども再入稿を繰り返し、いかにわからないことばかりか実感しているところです。こちらはあっという間にできあがったので、私にとってはすごいなぁ…って、指をくわえるばかりです。

 指導者の青木裕子先生率いる14名の生徒が、かわるがわる「平家物語」を朗読します。最後の節は、青木先生が自ら読んでくださいます。発表会場は青木先生が自費を投じて建築した「軽井沢朗読館」。私は初めてですが、仲間たちはこれが2回目の発表会です。すべてメンバーたちの手作りなので、前日から宿泊し準備に取り掛かることになっています。また、それも楽し!というところでしょうか。

 このワークショップの仲間たちは、個性的ですばらしい人たちばかり。なおかつ抜群のチームワークです。個人的に週1回会って、飲みながら話をする仲間たちがいるのですが、毎回刺激的で「こんな話がしたかったのよ!」って思える時間です。

 軽く始めた朗読ワークショップですが、このようなかけがえのない友人たち、そして知れば知るほどその魅力のとりこになる青木裕子という朗読家に会えたことは、やっぱり私の直感はまだまだ捨てたもんじゃないと思えるのです。

 読夢の会 第2回ワークショップ発表公演「平家物語」
軽井沢朗読館館長・青木裕子が東京で主催している
”読夢の会ワークショップ”受講生による発表会です。

2012年7月1日(日)
開場 13:30 / 開演 14:30(約2時間)
場所 軽井沢朗読館ホール

「平家物語」を原文と現代文で綴る朗読の世界を堪能ください。
◆入場無料
◆駐車台数が限られているためあらかじめお問い合わせ・ご予約ください。
軽井沢朗読館 0267-46-0036

※軽井沢朗読館 http://karuizawaroudokukan.jp/