マサチューセッツ工科大学(MIT)は、テクノロジーの最先端を常に牽引する教育機関です。ここから出たノーベル賞受賞者は77人、現役で11人の人たちがいます。利根川進氏もそのひとりです。このMITで46年にわたって、基礎物理学を教える名誉教授、ウォルター・ルーウィン教授の授業は、「学問は楽しくなくっちゃ」というモットーそのもの。とにかく実験して体験してみようという教授は、時に、みずから30万ボルトの電圧を体に帯電させ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」さながらに、髪の毛を逆立てて見せる。地毛だとあんまりわかりにくいから、オカッパのカツラをかぶってみせる。
教授は毎回の実験を成功させるために50時間を費やすという。そしていつも公開授業は実験の参加者がみずから体験する。授業には老若男女がその名物授業を楽しみに来る。みるだけじゃなくて、実験にも参加できるという、インタラクティブなエンターテインメントなのだ。
毎回、抱腹絶倒。でもその中で教えてくれる物理はとてもレベルの高いものだ。何よりルーウィン教授の物理への真摯な姿勢が人を笑わせる。それ以上に彼の生徒たちへの愛を、私は感じる。教えるってことは、愛をそそがないとできないことだと思う。できたとしても、何かが欠けていて、人を笑顔にはしないものだ。自分が時間もお金も努力も注いで学んだことを、惜しみなく人に伝えちゃうわけだから、よっぽど気前がよくなくちゃ、教えることはできない。ルーウィン名誉教授の授業には、今までの白熱教室の中でも、もっとも愛情を感じるんです。
自分の日記として書くことも多いのですが、
時折、特に印象的だったTV番組などについて書いています。なぜかNHKのEチャンネルが多いですが…